言問学舎の冬期講習2024‐25 1年生も頑張っています
生徒本人の了解を得ましたので、Web夏期講習④「読書感想文のツボ」でご説明した、「ディテール(細部の描写)まで突っこんでの検証」についてお伝えします。
その生徒が選んで読んだのは、宮沢賢治の『注文の多い料理店』でした。二人の紳士が山へ狩りに行き、獲物はとれず道に迷って「西洋料理店 山猫軒」に入ると、そこは「注文の多い料理店」で、自分たちがクリームをぬれだの塩をもみ込めだの、あれこれ注文を出されてしまい、あやうく食べられそうになるお話ですね。
当塾の生徒は、「自分が気に入った部分」として、この「たくさん注文がつづくところ」の全範囲を、ページと行だけでシートに記入してしまいました。そしてシートの下の段、「感じたこと、思ったこと」を書く時に、「どう書いていいかわからない」と言って、手が止まってしまったのです。
これはいわば、当然のことでもあります。大ざっぱなとらえ方では、「感じたこと」すなわち感想も、書くのはおろか考えるのもむずかしいのです。
そこで私は、すぐに指示をしました。「たくさん注文がつづくところ」の中から三つ、特に面白いと思った「注文」を書き出すこと。もちろんこの時、新しいシートをわたし、そこに書かせます。
そうしたところ、やはり生徒は、一つ一つの「注文」について、すらすらと思ったことを書きつけました。たとえば、「クリームをよく塗りましたか、耳にも塗りましたか」に対して、「耳にまで塗ると言うのが不思議だと思った。耳なし芳一の話と関係があるのだろうか。」という具合ですね。これが「ディテールまで突っこんで検証する」、もっとかんたんに言えば、「きちんと読みこんで考える」ことの実例です。
これから読書感想文を書き始めて、「何を書いていいかわからない」とお子さんたちが口にした時は、読んだ本の「どこが面白かったか(悲しかったか、興奮したのか、などなど)」ということを、細部の描写までよくチェックして、拾い出すようにしてみて下さい。
そのほか、お困りのことがありましたら、何なりとおたずね下さい。
国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
文京区の総合学習塾・言問学舎