言問学舎の冬期講習2024‐25 1年生も頑張っています
夏休み中(言問学舎の夏期講習期間は21日土曜日からですが、すでに夏休みに入っている私学等もありますので)、不定期にて「この『基礎』が身につけば二学期に役立つ」内容を、ひろくWeb上でお伝えして行きます。第一回は「高校1年生の古文」です。
高校に入って、最初の学期が終わりましたね。国語では、特に古文の「文語文法」に、戸惑い、あるいは苦しんで暗記した方が多いでしょう。
大半の高校で、一学期の文法の内容は、「九種類の動詞の活用」、「形容詞・形容動詞の活用」あたりまでだったと思います。今日は特に、「動詞の活用」についてお話しします。
「大半の高校」と言いましたが、その中で、あるいは範囲の違う学校も含めて、やはり多くの方が、次のように「活用の仕方」を「暗記」したかと思われます。
・四段活用「書く」の場合 か-き-く-く-け-け
・上一段活用「見る」の場合 み-み-みる-みる-みれ-みよ
結論から先に言います。このような「暗記」で一学期を終えた人は、この夏休みに、活用の仕方を次のような「暗誦」におきかえる勉強をして下さい。
・「書く」 か・か-ず か・き-たり か・く か・く-とき か・け-ども か・け!
・「見る」 み-ず み-たり み・る み・る-とき み・れ-ども み・よ!
「か-き-く-く-け-け」式の「暗記」は、一番初めの文語の活用の覚え方として、あってもまあいいのですが、これから先、助動詞や助詞が連続して組み合わさった、実際の文中での品詞分解、用法の判断、そして現代語訳といった局面では、ほとんど役に立ちません。例を挙げてご説明しましょう。下の文中に五つある動詞の、活用の種類と活用形を答えて下さい。
鞠を蹴ずして空(くう)を蹴ぬ。蹴れども飽かねば涙ぞ落つる。
答えを先に言いましょう。順に、カ行下一段動詞「蹴る」の未然形「蹴(け)」、カ行下一段動詞「蹴る」の連用形「蹴(け)」、カ行下一段動詞「蹴る」の已然形「蹴れ」、カ行四段動詞「飽く」の未然形「飽か」、タ行上二段動詞「落つ」の連体形「落つる」です。
一語しかない下一段動詞「蹴る」を覚えていれば、活用については正解できますね。「飽く」についても、「ア段(か)」に活用しているから四段活用、という判断方法はあります。「落つる」も係り結びをきちんと覚えていれば、大丈夫ですか?「ち-ち-つ-つる-つれ-ちよ」から、自信を持ってタ行上二段動詞「落つ」と決定するのは、ややむずかしいかも?「ア段(か)」に活用しているから四段活用、にしても、ナ変の二語、ラ変の四語を、無視することはできません(カ行だから関係ないよ、と言える人は、どうぞ次に進んで下さい)。下一段動詞「蹴る」を覚えてなかったら、「蹴ぬ」の連用形は、絶望でしょうか。
さらに、「蹴れども飽かねば」の品詞分解と文法的説明は、こうなります。
蹴 れ - ど も - 飽 か - ね -
カ行下一段「蹴る」已然 逆説の接続助詞 カ行四段「飽く」未然 打消助動「ず」已然
ば
順接の接続助詞(已然+「ば」で確定条件→もっと詳しく言うと原因・理由。これは高2、高3でOK)
助動詞の説明は改めますが、例文よりもっと複雑に、動詞の活用と助動詞の接続から、同じ表記の助動詞(または助詞、たとえば「ね」「なむ」等々)の種類と用法を判断しなければ、現代語訳はおろか文の大意さえつかめないことが、よくあります(もっとはっきり言えば、その連続が古文なのです)。
そうしたことに対応する入り口が、「み-ず み-たり み・る み・る-とき み・れ-ども み・よ」という、動詞の活用の「暗誦」です。
Web夏期講習としてご利用になる方は、とにかく九種類の活用すべて、上記の形で暗誦する練習をして下さい。すべて「ず・たり・。(終止)・とき・ども・!(命令)」に続ける形で考えればよいのです。
もちろん言問学舎の、塾での夏期講習では、さらに実践的な使い方や、やさしめの古文の文章を読み、味わい、その中で「生きた文法」を習得する授業を展開します。途中参加も可能ですので、ご関心のある方は、ぜひお早めにお申し込み、お問い合わせをどうぞ。無料体験授業も受けられます(国語1教科の場合、夏期講習1コマ分)。
※「夏期講習」とはうたっていませんが、主として小学生対象の「だれでもできる読書感想文の書き方」(中・高生も援用可)、「読書感想文添削講座のご案内」も、コラムおよびセミナー・イベントに掲載中です。あわせてご覧下さい。
国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
文京区の総合学習塾・言問学舎