集中できない子への関わり方|60分の授業で、たった1分を褒めた理由
スクールでは、保護者の皆さまに授業を参観していただいています。
わが子だけでなく、ほかの子どもたちの取り組む様子も見られることは、参観授業のよいところだと思っています。
ただ、子ども同士を比較することが、必ずしもよい方向に働くとは限りません。
ほかの子はできているのに
以前、参観授業で、ほかの子どもと比べながら、わが子に厳しい言葉をかけている保護者の方がいました。
周りの子どもたちができていることを、わが子ができていない。僕も親なので、やっぱり気になります。小学校受験を控えていれば、なおさらかもしれません。
ただ、ほかの子どもができているという事実を伝えられても、本人がどうすればよいのかわからなければ、次の行動にはつながりません。
僕はその保護者の方に、ほかの子どもを見ること自体は悪いことではないとお伝えしました。そのときは、ほかの子の姿からわが子への関わり方を考えてみてほしいという気持ちも伝えました。
友だちのよいところをどう生かすか
例えば、講師の話を最後まで聞けている子どもがいたとします。
その姿を見て「あの子はできているのに、どうしてあなたはできないの」と言っても、子どもは困ってしまうかもしれません。
それよりも、その子がどんな姿勢で話を聞いていたのか、何をしていたから最後まで聞けたのかを見てみる。そして、わが子にもできそうなことを一つ見つけて伝えてみる。
ほかの子がよい取り組みをしていると、その親子の関わり方にも自然と目が向きます。どんな言葉をかけているのか。うまくいかないときにはどう接しているのか。子どもの姿だけでなく、保護者の方の関わり方からも、わが子と接するヒントが見つかることがあります。
ほかの子どもは、競争相手であると同時に、学ぶことのできる存在でもあります。
もちろん、よいところをそのまま真似すれば、すべてうまくいくわけではありません。子どもによって得意なことも苦手なことも違います。
だからこそ、大人が観察し、その子に合った伝え方を考えることが大切なのだと思います。
大人の言葉は少しずつ変わる
その保護者の方も、すぐにすべての接し方が変わったわけではありません。
それでも、授業を見るときの視点や子どもにかける言葉が、少しずつ変わっていったように感じました。僕は、その変化が印象に残っています。
大人も、これまでの習慣を急に変えることは難しいものです。つい比較してしまうこともあるでしょう。
大切なのは、比べてしまったことを責めるのではなく、そこから何を学び、次にどう関わるかだと思います。
比較するのは子どもを評価するためだけではない
参観授業でほかの子どもを見ることには、たくさんの発見があります。
同じ説明でも、こんな受け止め方をする子がいる。同じ課題でも、こんな工夫をする子がいる。その発見は、わが子を理解するための手がかりにもなります。
僕は、子どもたちを比べることをすべて否定したいわけではありません。
ただ、比較することで子どもを追い詰めるのではなく、大人が学ぶきっかけにしてほしいと思っています。
ほかの子どものよいところを見つけたとき、次に考えたいのは「どうしてうちの子はできないのか」ではなく、「わが子には、どう伝えたらよいだろうか」ということ。
そんな視点で参観授業を見ていただけたら、子どもたちの姿から、きっと多くのことを学べると思います。
子どもも友だちの姿から学んでいる
そして、ほかの子の姿から学ぶのは子どもも同じです。幼児期には、友だちのまねをしながら覚えていくことがたくさんあります。
スクールでも、ほかの子の取り組みを見て、憧れを抱いているように感じる場面があります。「自分もあんなふうにやってみたい」と思うこともあるのでしょう。
もちろん、よいことばかりをまねするわけではありません。楽しそうに見えれば、ふざけている姿をまねすることもあります。そんなときには、何がよくなかったのかを伝えることも必要です。
友だちの姿を見て自分もやってみる。その中で、取り入れてほしいことも、伝え直す必要があることも出てきます。僕たちも子ども同士のやり取りを見ながら関わるようにしています。
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