子どもは多くのことを五感を通じて学ぶ
幼児教室で子どもたちを指導していると、同じ60分の授業でも、一人ひとりの頑張り方がまったく違うことに気づきます。
最初から最後まで集中して取り組める子どももいれば、なかなか落ち着いて座っていられない子どももいます。
以前、60分の授業の中で、集中して取り組めた時間がほんのわずかだった子どもがいました。その時間は、たった1分ほどだったと思います。
私は、その1分を褒めました。
できなかった59分よりも
60分のうち、集中できたのが1分。数字だけを見れば、まだまだ課題が多いように感じられるでしょう。
「もっと頑張らないといけないね」そう声をかけることもできたと思います。
けれども、その子にとっては、その1分が大きな頑張りだったのです。姿勢を整え、先生の話を聞き、目の前の課題に向き合っている。
私は、その姿を見逃したくありませんでした。「今の姿勢、よかったね」大げさに褒めるのではなく、できていたことを静かに伝えました。
子どもは、自分の変化に気づいているだろうか
子どもは、自分ができなかったことを周囲から指摘される機会が少なくありません。座りなさい。前を見なさい。お話を聞きなさい。
もちろん、集団で授業を受ける以上、必要な指導です。ただ、注意されることが続くと、子ども自身も「自分はできない」と感じてしまうかもしれません。
だからこそ、できた瞬間を大人が見つけて伝えることには意味があると思っています。
その後、その子の授業中の姿勢には少しずつ変化が見られるようになりました。私は、よい姿が見られたときには、目を合わせて微笑んだり、小さくうなずいたりしました。
いつも言葉で褒める必要はありません。「先生は見ているよ」そんな気持ちが伝われば、それで十分なこともあります。
小さな変化を見つける仕事
小学校受験の教室ですから、子どもたちには身につけてほしい力がたくさんあります。説明を聞くこと。考えること。決められた時間の中で取り組むこと。
できないことをそのままにしておくわけにはいきません。それでも、今できていないことだけを見ていたら、子どもが今日できるようになったことを見落としてしまいます。
昨日はできなかったことが、今日は少しできた。その小さな変化を見つけ、次の成長につなげていくことも、私たちの大切な仕事です。
60分の授業で、たった1分。でも、私はその1分を褒めたいと思います。その子にとって、次の2分、3分につながる大切な時間かもしれないからです。
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