東京農業大学稲花小学校受験対策【⑥ペーパー考査】
筑波大学附属小学校の体操考査
制作考査の後、体操と集団活動が同時進行でおこなわれます。クラス30名(30名以下のクラスもあり)を2手に分け、15名が体操教室へ、もう15名が集団活動教室へ誘導され、それぞれ課題をおこないます。体操教室の先生は1~2名。例年クマ歩きが出題されており、年度によってはクマ歩きと前転、あるいはクマ歩きと鉄棒と、組み合わせた活動も行われます。いずれにせよ筑波体操の代名詞であるクマ歩きは必ず出題されているだけに、スムーズに取り組めるように練習しておく必要があります。
筑波大学附属小学校の体操はクマ歩きだけではない
では、体操考査の流れですが、まず受験生は教室に入室した後、教室の隅にコの字型に並べられた椅子に番号順に着席します。次に、教室にいる先生からクマ歩きの試技の披露がありますので、進むコースも含めてよく見て覚えます。この試技の披露については、クラスによって説明の仕方や実演の方法に違いがあります。他の私立小学校の入試と同じように、先生がスタートからゴールまで全力でクマ歩きをするというわけではありません。実演を中略したり、途中まで見せて後は口頭で説明をするといったケースもあります。クマ歩きの手の動かし方やカーブの回り方などの細かな説明はありませんので、動きの再現はしやすい運動とは言え、上手に取り組むためにはやはり練習が不可欠ということになります。年度によっては、マットで前転、鉄棒に懸垂のポーズで持久力測定(5秒程度)をしてからクマ歩きで進んでいくパターンもあります。ここも試技で完全再現してくれるわけではないことを踏まえれば、筑波入試において「クマ歩き」「前転」「鉄棒の持久力」の3点の練習は必須といえます。
筑波大学附属小学校のクマ歩き
本番はまずはスタートに近い椅子に座っている受験生からクマ歩きをおこなっていきます。このとき、スタート位置に向かった受験生が座っていた椅子が空くことになるので、1席ずつ横に席移動をする約束があります。他のお友だちがクマ歩きをしている最中は「静かに待つ」、「応援して待つ」のいずれかの指示がありますが、これは担当する先生によって違うようです。クマ歩きが終わった受験生は、スタート位置から最も遠い椅子に座って、他の受験生と同じように移動をしながら待つことになります。過去にクマ歩きが終わった後、椅子の下に置いてあった縄跳びを結ぶ作業もありましたが、同じ試験グループの受験生は取り組んでいなかったりと報告もバラバラでした。おそらくは、別室の集団活動をおこなっているグループとの時間調整のための作業で、合否には関係ないものと思われます。
次に、進むコースについて。コの字型のコースですから途中でカーブがあります。受験した子どもたちが口を揃えて床が滑りやすかったと言いますので、全速で推進する体を手で支える力も必要になります。よくクマ歩きで転んでしまう子の特徴として、視線が下向きになっていることが挙げられます。下を向いたままクマ歩きのポーズをしてみればわかるのですが、お尻が上がって自分の体重が手の方に一気に集中します。これを、顔は前を向いて膝を少し曲げる姿勢に直すと、お尻が下がって手と足にバランスよく体重が乗ります。全速で走るとなると姿勢も崩れてしまいますが、前のめりになりすぎないように意識するだけで転倒しないクマ歩きができるようになります。走行距離は30mあるか無いかというところ。転ばないように最後まで根気よく取り組めるかがポイントと言えます。
クマ歩きの上達に向けて
クマ歩きのやり方のポイントをまとめます。
①.両手を肩幅くらいに開いて地面に着いて、両足を広げて四つん這いのようなポーズで立ちます。イメージとしては両手を離しての「雑巾がけ」です。
②.このポーズで両手を前に伸ばして前進する活動です。スピードを出して進む指示が多いため、このポーズで素早く進めるように練習します。
③.両手で身体を支えながら進みます。上手に支えるポイントとしては「視線」と「手の着き方」が重要です。
④.「視線」は、前を向きます。前を向くことで上体が真っすぐになります(下を向くと重心が前のめりになる)ので、転倒しづらくなります。
⑤.「手の着き方」は、指を開かずに閉じて、やや内側を向くように八の字に着きます。こうすると肘が曲がりにくくなります。(逆立ちの手の着き方と同じようなイメージです)
⑥.速く進むためには両手の伸びがポイントです。水泳のクロールをイメージしてください。
◆次回◆筑波大学附属小学校の集団活動考査について