【知財担当者と特許出願】
【AIの特許は「モデル開発」から「インフラ・産業」へ】
■WIPOが、生成AI(GenAI)の特許動向についての記事を公開しました。
AIに要約してもらったうえで、整理してみました。
■WIPOとは、
世界知的所有権機関で、特許・商標・著作権などの知的財産を扱う国連の専門機関です。
英語では World Intellectual Property Organization といい、その頭文字をとって WIPO(ワイポ) と呼びます。
■公開記事・資料
・記事:「Beyond the Chatbot: What Patent Data Reveals About the Next Phase of GenAI」
https://www.wipo.int/en/web/patent-analytics/w/blog/2026/beyond-the-chatbot-what-patent-data-reveals-about-the-next-phase-of-genai?utm_source=chatgpt.com
→ 特許データを材料に「生成AIはこれからどこへ向かうのか」を広い視点で解説した記事です。
・2025年までの世界のGenAI関連特許を分析した資料:
「SPARK Patent Trends Update in Gen AI」も公開されていて、この記事に引用されています。
https://www.wipo.int/web-publications/spark-patent-trends-update-in-genai/en/index.html
→ 実際の世界の生成AI関連特許を集計・分析した24ページの報告書です。2024年に公表した調査を、2025年までのデータに更新しています。
■全体のまとめ
記事と資料の内容を、ざっくりまとめると、
『生成AIは「ChatGPTのようなAIを誰が作るか」という第1段階(モデル開発)から、
「AIをどの産業で、どんなインフラを使って、どのように事業化し、どこを知財で押さえるか」
という第2段階(インフラ・産業への実装)へ移り始めている。』
です。
■特許の公開情報
記事は特許の公開情報をベースにしています。
特許は原則として出願から18か月後に公開されます。
つまり、1年半以上前の情報ということになります。
今や、AIの話題で1年半も経ってしまうと、もう古いということになっているかもしれないので、その点の注意が必要です。
■記事・資料の内容
・特許出願の急増
2024年から2025年の2年間だけで56,000件以上の生成AI特許ファミリーが公開されました。
2014~2023年の10年間の合計を上回ります。
・競争の主役が「モデル開発」から「インフラ・産業」へ
単に良いAIモデルを作るだけでなく、それを動かす専用チップ、クラウド、データセンター、そして電力(電気)を誰が確保するかが重要になっています。
・「Small AI」の重要性
巨大なAIをネット経由で使うだけでなく、スマホやノートPC上で動く、特定の目的に絞った「軽量で安価なAI」が社会の現場(農業や教育、医療など)で普及していくと予測されています。
・企業の特許戦略の違い
ソフトバンク: 2025年公開件数2,985件、いきなりの世界1位
AI、半導体、データセンター、電力などをまとめて押さえる戦略
OpenAI: 特許件数少なく35件
製品の画面や機能など特定の部分に絞り、特許は防衛目的で使う方針
・生成AI特許のシェア拡大
AI関連の特許全体の中で、生成AIが占める割合は2023年の6.1%から、2025年には8.7%に上昇しました。
・出願の地域とプレイヤー
中国が出願数全体で圧倒的なシェアを占めていますが、アメリカや日本でも急速に成長しています。
ソフトウェア企業だけでなく、Nvidia(半導体)、Inspur(サーバー)、Bosch(自動車部品・産業機器)など、ハードウェアや産業領域の企業が急浮上しています。
■AI特許の目指すべき方向
生成AIのモデルそのものは、日本は米国には追い付けないと言われています。
しかし、記事で述べられているように、「インフラ・産業」へシフトしつつあり、これは日本が得意とする分野です。
半導体、クラウド、データセンター、電力・エネルギー、医療、製造、金融、などなど
具体的な産業・業務の中に組み込まれていくビジネスを考えて特許戦略を考えたいです。


