新米社労士イノキュウの現場からの本音の報告2026年6月

新日本保険新聞に新米社労士イノキュウの現場からの本音の報告第31回が掲載されましたので、ご案内申し上げます。
こんにちは、社労士・行政書士イノキュウの井上久です。
前回までの3回で、私の「暴力団事務所での恐怖の体験」や「会社から受けた不当な退職勧奨とそれに対する対抗策」について、ご案内させていただきましが、今回から3回は、10月1日施行の労働施策総合推進法において、カスハラ対策は事業者の義務となりますので、私が遭遇した、モンスタークレーマー(強烈なカスハラ人物)についてのお話をさせていただきます。
まず、何といっても私が遭遇した中で、一番、恐怖を感じたモンスタークレーマーは、
1992年に大阪の堺で、日本火災の営業課長をしていた時に対峙した人物です。
この人は、火災保険の契約者でありましたが、2年に1度くらい、火災事故を起こし、多額の保険金を請求する人物で、1992年6月に、またしても火災事故の事故報告が入りましたので、「もう、好きなようにはさせない」と当時の支店長と二人で、徹底抗戦を挑んだのです。
この人物は、身長180Cmを超す大男なのですが、頭の切れは抜群で、弁も立ち、
驚くべきフットワークの良さを有していて、交渉が決裂すると、翌朝一番に、当時の損害保険会社の監督官庁である東京の大蔵省保険二課に直行し、苦情を入れるという行動力も有しておりました。
日本火災は過去、この男から、幾度となく、ひどい攻撃を受けており、支店の女子社員は、この男からの電話が、怖くて怖くて、誰も電話に出られなくなり、やむ得ず、営業課長の私が、朝から晩まで、架かってくる全ての電話を取るという状態になったのです。その結果、私は、営業課長でありながら、約2か月間、一歩も外に出られなくなり、営業活動が完全に停止したことを思い出します。
そして、交渉の過程で私が驚いたのは、次の事でした。
①待ち合わせの場所は、南海本線の泉佐野駅前の某都市銀行の支店長室
実際に、指定された時間に、支店長と二人で都市銀行の支店に行くと、銀行の支店長室の応接にこの男が座っているのです。
ということは、他人の会社(銀行)の支店長室を、自分の好きなように使っていたという事です。(あとにも先にも、このようなことをする人物に会ったことはありません)
②2年に一度、新車が届く(勿論、無料で)
さらに、日本人なら、誰でも知っている自動車メーカーのカーディーラーから、誰でも知っている新車が届くのです。
③大阪市内の有名な中華料理店は、おそらく死ぬまで、無料。(何かの約束があるはず)
④この男の日本火災の火災保険証券の保険終期の時刻が、午前0時 (一般のお客様は、例外なく、すべて午後4時)
以上のことは、この男がつける巧妙な「因縁」にあります。
私もそうですが、日本人は誰でも話の途中に「申し訳ございません」という言葉をはさむと思いますが、この男は、こちらが、「申し訳ございません」と言った瞬間、
大きなド迫力の声で、「お前、今、何と言った?」とすごい形相で、迫ってくるのです。
誰も今まで、そんなことを聞かれたことがありませんので、きょとんとしていると
「お前が知らないのであれば、わしが、教えてやる」と言って、このような説明を始めます。
「『申し訳ない』という言葉はだな、昔、殿様が家来に向かって使った、『お前たちには申す事はない』という言葉だ。その昔、殿様が家来に使った言葉を、客であるわしに言うとは何事だ」とド迫力で迫ってくるのです。
その迫力に押されて、「すみません」とか「いたりませんでした」(「申し訳ございません」はさすがに使わなくなります)と謝罪すると、お決まりのパターンである債務の履行を迫ってくるのです。
「どうするのだ」という言葉を執拗に繰り返し、最終的には、土下座でわびを入れさせられたり、誓約書を書かされたりして、結果として、奴隷化されてしまうのです。
「申し訳ございません」の一言で、相手を奴隷化してしまう最強のモンスタークレーマーのフルネームを私は決して誰にも明かしませんが、今でもしっかり覚えております。


