思春期入り口の英語教育、”トランジッション・クラス”のすすめ
日本の英語教育は経済低迷の一因?
日本という社会は、あきらかに非合理的であることを知っていながらそれを放置し、その“負の遺産”を次世代へと繰り返していく、そんな傾向があるかもしれないと、特に今の政治状況を鑑みて思います。
残念ながら、私自身かつて身を置いていた学校の英語教育(受験英語)もその「負の遺産」の一つではと思うのは、国際的語学教育機関(EF Education First)の調査で、この10年、非英語圏内のランキングで低下の一途をたってきた日本人の英語力が、昨年ついに“過去最低”との結果が出たからです。
この事は、少子高齢化と並び、日本経済低迷の一因とする専門家さえいるとのことです。
そんな背景もあってか、最近、お子さんを小学生のうちから英国のボーディング・スクールなどに単独留学させるご家庭が確実に増えているそうです。
現在、カナダ州立大3年になる私の娘が、本人の希望で中3でバンクーバーのセカンダリー(中高一貫校)に単独留学した当時でさえ、周りから「大胆ですね!」驚かれただけに、感慨深いものがあります。
英語力が伸びる生徒さんの共通点は、海外経験ではない。
留学については、それに関する書籍編集もしてきた知見から、高校までに1年以上の留学をすることが最も有効と考えています。
しかしながら、長年当会で様々な生徒さんを指導しきた経験からすると、英語を自己表現の道具にできる方の共通点は、留学・海外経験より、むしろ、日本語リテラシーが高い方、概ね、読書、活字(漫画も可)に親しんでいる方たちだと明言できます。
第二言語のレベルは、第一言語(母国語)のそれを超えることはなく、国語力は全ての教科のオール(櫂)と言われますが、英語も例外ではないといえるでしょう。
いずれにせよ留学は、特に円安の今、そのコストを考えても安易にお勧めはできません。
では、国内で合理的かつ効果的に英語力を身に着けるにはどうしたら良いか、やはり、ここで真にお勧めできる方法が英語の文字の音のルールである“フォニックス”の習得です。
フォニックス指導のプロ集団を目指す
私は、フォニックスを「読む、聞く、書く、話す」の4技能を起動するソフトと呼んでいますが、そのソフトを自身にインストールしておけば、人生途上、必要な時にいつでも起動させ、各目的に応じて、英語力を発展させることができる、これは、私自身、たまたま小学時代にフォニックスを日本人の先生から個人的に学ぶ機会を得、中学で英語の教科書を初めて手にした際、最初から最後まで音読ができたというリアルな経験に基づいています。
では、「なぜ学校教育でフォニックスが実施できないのか?」、そして「ネイティブの先生が日本語話者の子どもにフォニックスを教えることに向かないのはなぜなのか?」
最近ようやくこの「フォニックスの謎」が解けてきました。それは次回詳しく伝えるとして、改めて、当会では、先生方全員が、「フォニックス教授のプロ集団」になるべく、今後、研修を重ね、フォニックス指導主任で元々音楽家でもある西園寺洋子先生を中心に、当会独自の教材開発も進めていく方針を明確にしました。
最近の研修会では、西園寺先生開発の「フォニックス幕の内弁当方式」や、豊田発案のノンバーバル(非言語表現)トレーニングとして「ウェストサイドストーリー的キーセンテンス花いちもんめ」などを共有しました。
「フォニックスを日本の次世代に、日本の未来のために!」、そんなクリエイティブな活気に満ちていました。