世界平和を実現させるための『道具』としての英語を行使する。
先月、信州飯田で開催された、『ユース国際会議2023』で一つ残念だったことは、時間切れでオンライン参加した海外ユースからの視点をほとんど共有できなかったことでした。海外ユースたちは、前半で日本人学生たちが有識者の方々に提案した教育改革の中身のまさに先行体験者であり、いわば教育改革の生きたエビデンスといえます。下記、海外メンバーからのコメントの要点をまとめますが、今回は、ベトナムの学生たちからのコメントです。
★キエット(カナダの大学に留学しているベトナムの大学2年、経済学専攻)→英語教育改革の提言について
ベトナムの英語教育もかつて日本のようにオワコン(“dead”という言葉を使ってました。)だったのですが、5年前に文科省が英語教育改革を英断し、キエット君が中3の頃にアクティブラーニングに転換。英語の評価基準は民間試験のIETSを採用。その結果キエット君自身、全く英語力が違ってきたことを実感し、カナダ留学への弾みになったと言っていました。留学生の実感として『英語教育改革は、次世代がグローバル時代をサバイバルできるかどうかの要で、その意味で最も重要で急ぐべき改革だと思う。』とも述べていました。
★ヴァン(ベトナム、ホーチミン市の大学1年生、経済学専攻)→主権者教育、ディベイト導入案について
ベトナムでは、中学までは知識習得型の授業が中心だが、高校、特に高2からは、徹底して、プレゼン、ディベイトなどアクティブラーニング中心になるとのこと。その高校でのアクティブラーニングのスキルを土台に、大学では有効なプロジェクト・ワークにスムーズにまい進することができていると言っていました。(余談ですが、ヴァンが大学で今取り組んでいるプロジェクトワークが、マルクス・レーニン経済学だということで、ベトナムらしいと思いました。)
アセアンの教育は、特にシンガポール、次いでマレーシアの教育レベルが高く、近年留学先として人気ですが、アセアンの中で比較的後進のベトナムの教育もひけをとらないレベルであることが明確にうかがえます。翻って、G7にも入る先進国の日本の教育の状態を鑑み、忸怩たる思いがこみ上げてきました。