経営シミュレーションゲームで学ぶ採用と資金繰り

髙島厚

髙島厚

テーマ:ビジネス

事業を始めたものの売上が伸びないと悩む経営者の方へ

勢いで会社を立ち上げ、事業を始めてみたものの、思うように売上が伸びず、気づけば赤字の状態から抜け出せないまま月日が過ぎている。事業を広げたい気持ちはあっても、どのタイミングで人を採用すればよいのか、採用した人にどう仕事を任せればよいのかが分からず、結局はすべてを自分一人で抱え込んでいる。私のもとには、そうした悩みを抱えた経営者の方からのご相談が寄せられます。

お話を伺っていくと、多くの方に共通しているのが、経営に欠かせないお金の流れや財務の知識に不安を感じているという点です。売上の数字は追いかけていても、毎月出ていく人件費や支払いとのバランスをどう見ればよいのか、 利益をどこに投じれば事業が大きくなるのかといった判断になると、頼れる物差しを持てずにいる方が少なくありません。

このコラムでは、そうした経営者の方々に私がご提案している、経営シミュレーションゲームを使った学び方と、その進め方へのこだわりについてお話しします。


ご相談から自社の経営に活かすまでの流れ

ご相談をいただいたときに、私がまず行うのはヒアリングです。売上が伸び悩んでいるのか、赤字から抜け出せずにいるのか、人の採用や組織づくりでつまずいているのか、あるいは財務の知識に不安があるのかといった点を一つずつ整理し、その方が今どこで立ち止まっているのかを一緒に確かめていきます。

そのうえでご提案しているのが、当社がオリジナルで企画・開発した経営シミュレーションゲームのEXCEED MANAGE(エクシード・マネージ)で腕試しをしていただく方法です。2〜4名でプレイするボードゲーム形式のシミュレーションで、架空の事業を全9ラウンドにわたって経営しながら、いつ人材に投資し、どのように資金を回して事業の価値を高めていくかという判断を積み重ねていきます。

このゲームは、経営者お一人での腕試しだけでなく、他のメンバーの方に経営者の視点を体験していただく場としても活用できます。受け取る報酬に対して会社にどれだけ還元できているかという意識は、実際に自分で人材を雇い、報酬を払う立場に立ってみると実感しやすくなります。

社内研修やチームビルディングの場で経営陣と社員が同じ盤面を囲めば、普段はなかなか共有しにくい経営の目線をそろえるきっかけにもなります。

経営の根本に必要な内容は、本を読んだり講義を聞いたりして知識としてインプットするだけでは、実際の判断の場面で使いこなすのが難しいと思いますが、ゲームとして手を動かしながら架空の事業を大きくしていく過程では、うまくいく展開もあれば、資金が足りなくなって苦しい選択を迫られる展開もあり、さまざまな経営のパターンやリスクを自分の判断の結果として体験できます。

そこで得た気づきを持ち帰り、ご自身の事業に置き換えて活かしていただくところまでが、私たちのご支援の流れです。


ビジネスパーソン向けに一から作ったオリジナルのシナリオ

世の中には経営を題材にしたゲームや研修がいくつもありますが、EXCEED MANAGEは、ビジネスパーソン向けに完全オリジナルのシナリオを一から企画・開発しました。特に意識したのは、創業期の一人社長が直面する時間と労力の限界を体験できる設計にすることです。

ゲームの開始時に動かせる人材は、オーナーのカード1枚だけです。最初は経営者自身が現場に立って事業を回すところから始まり、事業を広げるためには人材を採用し、コンサルタントのカードとして事業に配置して仕事を任せていく必要があります。

ところが、新たに採用した人材には原則としてオンボーディング期間があり、採用したラウンドはまだ戦力になりません。それでも報酬は支払わなければならないので、採用した直後は出費だけが先に増えていきます。

報酬は人材のレベルに応じて毎ラウンド発生し、たとえばレベル1の人材なら3万円、レベル3の人材なら10万円が精算のたびに出ていきます。人材への報酬を上回る利益を事業から生み出せなければ資金繰りが悪化し、事業の売却や借用書による借り入れといった厳しい決断を迫られることになります。

採用や組織づくりに悩む一人社長の方にとっては、組組織化の予行演習として、自分ならどこで人を増やし、どこで踏みとどまるのかを試せる場になると考えています。


サポート担当が横について行うフィードバック

私が最も力を入れているのは、ゲームをプレイしていただくだけで終わらせないことです。プレイ中には、サポート担当が横について一緒に盤面を見ながらフィードバックを行うことも可能で、クライアントの状況にあわせて関わり方を変えています。

たとえば、ゲームの中で早い段階から次々と人を採用し、報酬の支払いに追われて資金が苦しくなった場面があれば、なぜそのタイミングで採用を決めたのか、利益の見通しをどのように立てていたのかを振り返ります。

反対に、慎重になりすぎて人に任せることができず、事業が伸び悩んだ場面であれば、どこで投資に踏み切る余地があったのかを一緒に考えます。

ゲームの中での判断は、ご本人が普段の経営で無意識にとっている判断の癖を映していることが多く、それを横で見ているサポート担当が言葉にしてお返しすることで、ご自身の事業に引き寄せて考えやすくなります。

なおこのゲームでは、ルールやポイント制度が厳格に定められています。ゲームだからといって都合のよい抜け道があっては、実際の経営で通用する感覚は身につきません。人材の報酬やオンボーディング期間、資金が尽きたときの選択肢などを、より実際の経営やビジネスに近い内容になるよう組み立てているのは、ゲームの中で迫られる判断を、現実の経営判断と同じ重みで受け止めていただきたいからです。


経営を独学で続けることの難しさと向き合うために

私がここまで仕組みづくりにこだわる理由は、会社員として働くことと、会社を経営することとでは、頭の使い方も見るべき指標の数もまったく違うと考えているからです。会社員であれば自分の担当する業務の成果に集中できますが、経営者になると、売上だけでなく、人件費や支払いの時期、採用した人が戦力になるまでの時間、手元に残る資金といった、いくつもの指標を同時に見ながら判断を下さなければなりません。

こうした感覚は、経営を続けていく中で少しずつ身につくものではありますが、継続して会社を経営するための判断力を独学で養うのは容易ではありません。実際の事業で失敗を重ねながら学ぶとなると、その代償は資金や信用に直接はね返ってきます。いっぽう、架空の事業であれば、資金繰りに行き詰まる経験も、思い切った投資が裏目に出る経験も、自分の事業を傷つけることなく味わうことができます。

当社には財務や新規事業開発、組織づくりなど、各分野の専門家が集まっています。ゲームを通じて見えてきた課題が、人材の採用にあるのか、お金の流れにあるのか、事業の広げ方にあるのかを整理したうえで、必要に応じてそれぞれの専門家とともにご自身の事業に向き合うお手伝いもしています。

まとめ

経営に必要な判断力は、知識として覚えるだけでなく、実際に判断を下してその結果を受け止める経験を重ねることで身についていくと私は考えています。売上や資金繰り、採用に悩んだときは、まず架空の事業で腕試しをしながら、ご自身の経営を見つめ直すところから始めてみてください。

こんな方はご相談ください

  • 事業を始めたものの売上が伸びず、赤字から抜け出す道筋が見えずにいる経営者の方
  • 人を採用するタイミングや仕事の任せ方が分からず、すべてを一人で抱えている一人社長の方
  • お金の流れや財務の知識に不安があり、経営者としての判断力を実践的に身につけたい方



お問い合わせはこちらから
https://exceedace-hd.com/contact/

EXCEED MANAGのゲームについてもっと知りたい方はこちらから
https://exceedace-hd.com/ex-portal/exceed-manage/

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髙島厚
専門家

髙島厚(経営コンサルタント)

株式会社EXCEEDACEHOLDINGS

人材育成と経営支援を組み合わせ、事業を推進できるリーダーを育成・アサイン。採用や教育の負担軽減から新規事業開発、財務改善まで伴走し、自走できる組織づくりを支援します。

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