(BSテレ東)日経モーニングプラスの取材を受けました
こんにちは、マンション管理士の深山です。
今までマンション管理士として数多くのマンションを見てきましたが、
マンション管理・運営に熱心で多くの改革を成し遂げた理事会役員たちが、
知識経験ゼロの新任役員に対してこの流れをどう継承していくか、、、。
どのマンションでも共通の悩みを抱えています。
毎年8月になると、太平洋戦争に関するドキュメンタリーなどが多く放送されます。
ふとテレビをつけると、NHKでは何らかの関連する放送がされています。
戦後約70年が経ち、当時悲惨な体験をされた方の多くが亡くなったり高齢になり、
後世に生の声を伝えることが難しくなりました。
映像にしたり、書籍にしたり、歌にしたり、資料館を作ったり、、、。
当時を経験された方々があらゆる媒体を使い、私たちのために、子孫のために、
「戦争は二度と繰り返さないで欲しい」と取り組まれる姿には、本当に頭が下がる思いです。
一方で、私には不安があります。
戦争体験のない我々世代が主体となりつつある昨今、
「二度と戦争はしない」という意志が受け継がれるのだろうか?
今の日本は、憲法第9条の改憲を議論し、
集団自衛権という「戦争可能性に一歩近づいた状態」になりつつあります。
人間の歴史は「戦争と平和」の繰り返しです。
平和の裏側で利権が絡むような争いが起こり、それが表面化する。
争いで疲弊した頃に解決が図られ、平和な暮らしが戻る。
この繰り返しで今日に至っていると思います。
昔、星新一さんのショートショートで、こんな話がありました。
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宇宙の開拓が可能となり、宇宙人がいるという遥か彼方の星を目指して、
何組かの男女がロケットに乗り込んだ。
その男女が生きている内にはその星へ辿りつけない程の距離のため、
ロケット内で子供を産み、その子供らがまた子供を産み、3代目で到着するプランであった。
その3代目が目的の星へ無事到着する。
ところが3代目になると、地球のことや祖父母が熱い思いを受けて送り出されたこと、
自分の使命など実感することはなく、結局居心地の良いその星に居ついてしまった。
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と、確かこんな話です。
マンション管理の歴史も、やはり同じように繰り返すところが殆どと考えます。
ある代の理事会はとても熱心であった。
理事会を毎月開くようになった。
自転車置場や駐車場のルールを見直した。
管理費を削減し、将来の財政不安を見直した。
長期修繕計画を改定した。
その結果、マンションの資産価値が上がるようなソフト面の向上が見られ、住み心地が良くなった。
ところが、役員の任期は1年で全員が入れ替わる。
知識もなく仕事も忙しく、自分達の住まいに対する意識の乏しい人達で次期理事会が構成された。
理事会は3ヶ月に1回になった。
ルールの運用に無頓着となった。
過去の理事会で決議したルールがなし崩しになった。
削減された管理費もジワジワと上がり始めた。
大規模修繕工事を管理会社へ依存して高額な工事となった。
トラブルが増え、住み心地が悪くなり、、、。
マンションの歴史も、戦争の歴史も、繰り返すものです。
では、やる気のある1人が理事長になり続ければ良いか?
良くも悪くも独裁政権となる可能性が高くなります。
そこで、せっかく積み上げてきた「苦難の上の財産」を、次期理事会へ上手に引き継いでいく方法は?
次回コラムでは、人で繋がる継続性確保の方法について書きます。
マンション管理コンサルタント メルすみごこち事務所
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