採用サイトに費用をかけても応募が来ない会社の共通点

「採用動画を作ったのに、応募が増えない」「会社紹介動画を社内に置いているけれど、誰にも見られていない気がする」
映像制作のご相談をお受けしていると、こうした声をよく耳にします。
こうなる原因は、映像そのものの出来不出来というより、配信メディアの選定や活用設計の段階でズレが生じているケースがほとんどです。せっかく時間と費用をかけて作った映像が活かされないのは、私自身も非常にもったいないと感じる場面です。
本コラムでは、私が20年の法人営業経験と映像制作の現場で見てきた具体例をもとに、採用・ブランディング映像を「狙った相手に確実に届ける形」に整えるための3つの判断軸についてお伝えします。
採用動画が機能しない最大の原因は、配信先のズレにある
ご相談を受ける中で、私が「もったいないな」と感じる場面のひとつが、立派な採用動画を作ったものの、自社サイトの採用ページの一番下に貼り付けて終わっている状態です。
採用動画を見たい応募者は、そもそも採用ページの最下部までスクロールしてくれるのでしょうか。たとえばスマートフォンで企業サイトを見ている就活生・転職希望者は、トップ画面を一目見て次のページへ進むかどうかを決めます。動画を載せている事実より、「最初の画面で何が見えるか」のほうが、応募率には直結します。
配信メディア戦略とは、制作した映像をどのプラットフォーム・どの位置・どのタイミングで届けるかを設計することです。私はこの設計を、撮影や編集と同じくらい大切な仕事だと考えています。
具体的には、自社サイト・採用専門サイト・YouTube・X(旧Twitter)・Instagram・TikTok・LinkedIn・面接前のメール添付・会社説明会のオープニングなど、映像を届けられる場所はこれだけ多様化しています。それぞれ視聴者の状態も滞在時間も異なるため、同じ映像をどこにも同じように貼っただけでは、効果は出にくくなります。
配信メディアを選ぶときの3つの判断軸
では、どの映像をどこに置くか。私が企画段階から整理しているのは、次の3つの軸です。
軸① 視聴者は「能動」か「受動」か
YouTubeで「会社名 採用」と検索して動画を見る応募者は、すでに能動的に情報を取りに来ています。一方で、SNSのタイムラインに流れる動画は受動的に目に入る形です。能動視聴向けには情報量が多い3〜5分の動画、受動視聴向けには冒頭3秒で内容がわかる15〜30秒の縦型動画など、メディアの特性に応じて尺と構成を分けて設計します。
軸② 視聴環境は「音あり」か「音なし」か
通勤中のスマートフォン視聴やオフィスでの社内視聴は、音声なしで再生されるケースが多くあります。この場合、テロップや字幕設計が決定的に重要になります。逆に説明会会場で大画面に映す映像は、音響を前提とした構成にできます。同じ映像でも、音あり版・音なし版で字幕を切り替える編集対応をご提案することもあります。
軸③ 視聴者は「初接触」か「複数回接触」か
初めてその会社を知る方には、業界・規模・拠点といった基本情報を含めた会社紹介映像が必要です。一方、すでに説明会に参加した方や面接予定の方には、現場社員のリアルな声や1日の流れを伝える短編映像のほうが効果的です。視聴者の「会社理解の段階」に応じて、複数本の映像をシリーズで設計するご提案をすることも増えています。
この3つの軸で整理すると、「採用動画を1本作る」というご依頼が、「目的別に2〜3本の短編シリーズを作る」というプロジェクトに変わることがあります。お客様にとっては想定外の話に聞こえるかもしれませんが、結果として応募数・応募の質の両方が改善した事例もあります。
実写・アニメーション・3DCG:手法は目的に従う
配信メディアと並んで、もうひとつ重要な選択が「映像の手法」です。当社では実写・アニメーション・3DCG・FPVドローン映像など、多様な手法を組み合わせて提案できる体制を整えています。
実写は、人の表情や現場の空気感を伝える力に優れています。リゾートホテル様の採用動画でレストラン編・ファミリーランド編といった職種別の構成が成立したのも、実写ならではの「現場で働くイメージ」を伝えられたからです。
一方、アニメーションは、目に見えないサービスや概念を整理して伝えるのに向いています。複雑なビジネスモデルを言葉で説明すると長くなってしまう場合も、アニメーションで図解すれば30秒で伝わることがあります。新聞社様の提案用資料を映像化した際も、文字と図表だけでは伝わりにくかった内容が、構成された映像として一気に理解しやすくなったというお声をいただきました。
3DCGは、まだ存在しない製品や、撮影できない内部構造を視覚化したいときに力を発揮します。グラファイトデザイン様の商品紹介映像では、3DCGを用いて構造的な特徴を伝える表現を採用しました。海外展示会用の映像では、日本の伝統工芸の魅力を3DCGとカメラワークで再構成するアプローチもご提案しています。
FPVドローン映像は、施設紹介や臨場感を伝える場面で強みを発揮します。EXSTION様の案件では、FPVドローンならではの没入感のある映像表現を取り入れました。
どの手法を使うかは、伝えたい内容と視聴環境から逆算して決めるというのが当社の考え方です。
制作後の活用設計まで含めて、はじめて映像は仕事をする
私が映像制作のご相談で大切にしているのは、「制作するだけが私の仕事ではない」というスタンスです。
具体的に私は納品時に、配信先の優先順位、各メディアでの公開タイミング、SNSで切り出して使う場合の編集パターン、社内向けに使う場合の見せ方、効果測定のための指標、半年後の更新タイミングなどをセットでお渡しします。そうすることで、お客様は「映像を持っている」状態から「映像で結果を出している」状態に移行できます。
採用動画を制作したリゾートホテル様で複数名の採用につながったのも、新聞社様の提案資料映像化で「今すぐ顧客に見せたい」という声が出たのも、活用までを見据えた設計があったからこそだと感じています。
・過去に制作した映像が、思ったほど活用されていないと感じている
・採用やブランディング映像の配信先、活用方法を含めて相談したい
・実写やアニメーション、3DCGなど撮影手法で迷っている
このようなことでお困りの企業の経営者様・ご担当者様、まずはお気軽にご相談ください。


