今日は第52回 社労士試験合格発表日

河野創

河野創

テーマ:社労士 合格体験記 受験


今日は第52回社会保険労務士試験の合格発表日です。
合格の皆様おめでとうございます。

また、不合格のかたはあきらめずに来年再チャレンジをお薦めします。

択一式のほうは、時間をかければそれだけ確実に点数は伸びます。

何度も落ちるという方はおそらく選択式で引っかかるのでしょう。選択式の部分は毎年いわゆる【運ゲ―】とか【指運】といわれるもので、いくら準備しても結果い結びつかないことが多いです。

今年の選択式労働一般の問題もヒドカったですね。
択一で60問とれても労働一般で1問しかとれなかったという人も珍しくないでしょう。

この手の問題、毎年どこかの分野で出題されるのですが、対応しようとして勉強しても時間の無駄ですのでお勧めしません。


選択式は【運ゲ―】と割り切ってください。
この試験、あきらめずに受け続ければいつかは必ず合格します。択一式で合格点を超えていれば受験準備なんか来年5月からで十分間に合いますよ。

PCのファイル整理をしていたら、懐かしい合格体験記が出てきました。
今となっては、ここまで気合を入れて勉強する必要もなかったかな、とも思います。

私の場合は独学中心でしたが効率が悪いので、多少お金をかけてでも予備校を利用することをおススメします。

昔の体験記ですが試験への取り組み方は今も変わっていません。

合格体験記

今回2回目の受験では選択式労一で基準点割れにかからずスレスレの点数で合格しました。
昨年は初めての試験場であがってしまい、3点とれていた労一を試験時間終了間際に書き直したり、マークミスをしたりと散々な結果でした。

1年目は独学で、過去問ばかり繰り返しやっていて科目の全体内容の理解ができていなかったこと、社会保険3科目で15点しか取れていなかったことが反省点でした。

そこで、社会保険科目の全体理解を目的に、社労士合格ゼミナールにお世話になりました。

勉強時間
サラリーマンですが、勉強時間として2年目は1500時間確保しました。毎朝6時に起きて往復の電車で2時間、地下鉄のホームのベンチで1時間、昼休みに40分、家に帰って1-2時間と、隙間時間を集めただけでも結構な時間が捻出できました。

土日祝祭日も7-8時間とれましたが、かえって隙間時間の平日のほうが効率あがったような気がします。
この間、会社の同僚には体を壊したといって、夜の誘いは最低限度にとどめました。

合格ゼミの使い方
年内に国年、厚年、健保を読み進めて、1年目に使ったフォーサイトのテキストに理解できていなかった点を書き込んで、苦手科目を理解していくという勉強をしました。

このゼミの解説は非常にボリュームがあり、これだけ読んでいくだけでも1教科1か月程度と相当の時間がかかりました。

しかしながら、「急がばまわれ」で獲得した内容理解のメリットは大きかったです。

過去問対策だけでは手に負えないような、未知の問題が出題される択一式については、捨て問とそうでない問題がはっきり区別でき、本番でも自信をもって解答できました。
不得意科目であれば、特に「急がばまわれ」の効果は特に大きいと思われます

使用教材
①基本書:フォーサイト基礎テキスト、CD
内容が薄いといわれますが、覚えるべき項目はこれで十分です。
1年目に購入したものに今年の法改正分を補ってそのまま使いました。どこの学校のものでも書いてあることにそれほど違いはずです。

②問題集
過去問:1年目で10回近くやりましたので、2年目は2-3回合格ゼミを使い過去14年分は95%以上正答できるようにしました。

予想問:大原選択式トレーニング問題集全冊、
5月からはじめ、間違いのみ見直し、暗記に努めました。

TAC合格のツボ択一式 11月から3回やり、90%以上正解できるようにしました。

うかるぞ社労士一問一答 択一式で点数が伸びない方にはおススメです。とにかく択一式は時間をかければかけるだけ点数が伸びていきます。10回近くやり95%以上正解できるようにしました。

TAC最強の一般常識
力がついたとは思いませんが、外せない一冊だと思います。

TACの暗記カード
3回繰り返しましたが、選択式の最低限の語句に触れたということでしょうか。

③副読本
「ゴロ合わせ命」で、ネットをしつこく漁りながらテキストに書き込んで暗誦に努めました。

著作権の問題があるのでご紹介できませんがインターネット上には、一発で記憶に張り付く秀逸なものも結構あります。

本番の選択、択一ともいくつもの問題で迷わず解答でき効果絶大で本当に救われました。
30日で完成・超速暗記 社労士語呂合わせ
勝!社労士受験 ゴロ合わせ徹底攻略

④模試
TACと大原それぞれ中間、直前を計4回受けました。
直前の7,8月は復習に追われて大変でしたが、予想問のオンパレードで間違った部分を3回復習することで、本番択一式への不安は解消できました。

⑤法改正・答練・直前対策
・5月にTACの法改正講座を早めに受け、7月の模試までに完成させました。

・セットでついていた模試2回分とTACの答練と合わせて5万円前後の出費は手痛いですが、答練は各学校とも講師陣が総力をあげて予想問を的中させにきます。実際これで何点か助かりましたので、TACに限らず受講をおすすめします。
答練も間違い部分を3回復習しました。

・7月に別料金8千円で、TACの一般常識(高橋ひさこ先生)を受けました。ただし、復習不十分で徹底すべきではありました。

⑥結果
これだけやって、それぞれ何点とれたがみなさん興味のあるところだと思いますので恥を忍んでお伝えします。

本番は択一51点、選択32点(労一、健保3点、その他4-5点)でした。
1年目の昨年は初めての試験場であがってしまい、3点とれていた労一を試験時間終了間際に書き直して、選択28点(労一1点)、択一41点(マークミス1点)と散々な結果でした。

模試については、択一式ではTAC1回目45点でB判定、2回目42点でC判定、大原1回目46点、2回目51点のB判定でした。

選択式の模試の点数はまったく参考にならないので省略します。
予備校もなかなかA判定を出してくれませんが、TACの択一式で40点以上とれれば、本番択一式の合格ラインは突破できるというのが感想です。

ちなみに昨年はTAC1回目31点、2回目32点のD判定で、本試験1点足らずでしたので、判定結果にこだわることもなさそうです。

本試験は過去問の焼き直しがある程度出題されるのに対して、TACや大原の模試はむしろ予想問を中心に出題してきます。何点とったかより間違えた部分の復習が大事ではないかと思います。

答練の感想ですが、TACで毎回上位3割以内にいれば択一突破は心配なさそうです。
TACに模試・答練の出来具合で合否可能性を聞いても答えてもらえませんし、あてにもなりません。選択式の偶然要素が大きすぎるからだと思っています。

⑦反省点1
心残りだったのは、時間不足で「TAC合格のツボ 選択式」に手が回らなかったことで、これで健保選択式の的中問題1題を取りこぼしました。
やはりメジャーな問題集はひととおり目をとおしておくべきでした。

⑧反省点2
8月上旬には、このまま仕上げれば択一式のボーダー超えの感触をつかみました。
問題は労一選択式です。受験生全員の悩みとは思いますが、試験前日まで手ごたえがまったくつかめませんでした。

本試験午前中に労一の問題を見た瞬間、怒りと情けなさで「1500時間勉強してこれかよ、勘弁してくれ。」とため息が出たのを鮮明に覚えています。

7月初旬に一般常識の講習を受けながら、模試の復習、弱点分野の補強に気をとられて、一般常識対策が空中分解していました。
しっかり復習していれば4点とれていた問題でした。

⑨反省点3

1年1500時間も勉強して、択一たった51題しかとれなかったの?と思われるでしょう。
そうとう無駄な時間を使っていたと反省しています。

600時間で合格する人もいるそうですが、この試験は、要領よくやっても1000時間はかかるのではないでしょうか。

時間については最低○○時間という考えでなく、自分が納得できる時間を何としても確保するほうが重要だと思います。

⑩最後に
社労士受験界でいわれているとおり、択一式は選択式のための予備試験でしかありません。択一式はやればやるほど点数の伸びが実感できますが、ボーダー超えのめどが立ったら早めに勉強の重点を選択式、特に労一にシフトするのがいいでしょう。

労一・社一の選択対策で絶対にはずせないのは、目的条文の暗記です。全部合わせても30程度の条文しかありません。何が何でも、直前でなく今からでも暗記に努めることを強くおすすめします。

目的条文は今年も雇用保険法で出ました。試験日前日に目的条文は見直したはずですが、実際は自分で作った駄作のゴロ合わせを必死に思い出して事なきを得ました。ここでひっかかった高得点者も結構いたようです。

労働統計も今年の一般常識のテキストが手に入れば、そこに載っているような部分は今からでもなじんでおいてください。7-8月から詰め込んでも全然覚えられません。

⑪蛇足ですが

私はたまたま今回の選択式では基準点割れはありませんでした。しかし、健保、労一は危ないところで助かったのというのが実感です。来年受けてどうなるかはまったく自信はありません。

今年のTACの復元解答でいえば、択一式51点だと450番目になりますが、同じ択一式51点でも、選択式のどこかで基準点割れがあると750番目になります。(情報元は2ちゃんねるですが確度は高いと思います。)

つまり択一式51点の受験者が750人いて、合格者が450人いれば、択一同点の選択「あと1点」受験者が300人います。

この選択式のいいかげんさと理不尽さが社労士試験の本質だと思います。
金澤先生も、たしかフォーサイトの加藤先生もそう仰しゃっていたとは思いますが、社労士試験に落ちても死ぬわけでありません。

また司法試験や司法書士と違って毎年2000人以上も受かる試験ですし、今回、合格点に達しなかったかたは、気楽な気持ちでまた来年も受けせんか。

今回落ちたら、私もそうするつもりでした。
この合格体験記が、何かしら皆様の参考になるようなことがあれば幸いです。

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河野創
専門家

河野創(社会保険労務士)

青山人事労務

前職で、人事評価制度の見直しにとり組んだ経験で、中小企業の働き方改革に強みを発揮する。また、自身の海外駐在経験から、日本の労務管理では対応できない海外駐在員の人事労務のノウハウを持つ。

河野創プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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