再建築不可物件のリフォームはどこまで認められるか?
資産価値が低いとされる再建築不可物件。その反面で、購入価格を抑えることができ、支払う税金を安く済ませられるというメリットもあります。毎年の固定資産税が安くなるだけではなく、有効な相続対策としても知られています。
空き家の増加に伴い可決された措置法の影響で、老朽化し放置された住宅には、固定資産税増額の可能性も出てきています。資産評価の低さは、土地を活用できているのか否かによって、メリットにもデメリットにもなりえます。
再建築不可物件は固定資産税が抑えられ、不動産取得税も安い
再建築不可物件の場合、デメリットとされる資産価値の低さ。しかし購入価格を抑えることができるため、メリットとも捉えられます。そして資産価値が低いということは、土地の評価額が低いことを示しており、相続税評価や固定資産税評価が低く、税金面で恩恵を受けることができます。
そのため固定資産税評価で決定される不動産取得税も安く済ませることができます。
固定資産税は、毎年発生してくる費用であり、住宅のランニングコストを抑えられるメリットは大きくなります。また、一般的には相続時には土地は路線価基準に計算されるものの、非道路や路地の評価は低く資産評価が圧縮されることから、相続対策にも有効となってきます。
固定資産税がもったいないからと更地にする決断はNG?
再建築不可のため、老朽化した住宅を抱え、自分たちは別の場所に住んでいる所有者も少なくありません。そこで、毎年かかる固定資産税がもったいなく感じられ、使用していない住宅なのだから、いっそのこと更地にすることを検討される方も多いようです。
しかし、解体工事を行ってしまえば、住宅用地にかかっていた固定資産税特例措置が適用されなくなります。
そのため固定資産税が最大で4倍程度に膨れ上がってしまいます。
ご存知のない方も多いのですが、住宅が建っている土地には、土地にかかっている固定資産税が軽減される特例が適用されており、知らないうちに軽減措置を受けていたのです。
2014年に可決された「空き家対策特別措置法」が与える影響
2014年11月に可決された「空き家対策特別措置法」をご存知ですか?近年、老朽化した空き家が増加し、景観を損なうだけではなく、倒壊の恐れがある危険な住宅が増加しています。しかし更地にしてしまえば、固定資産税が跳ね上がってしまうため、住宅をなくせない所有者が多く存在していました。
この対応策として措置法を設けることで、たとえ建物が建っていても、軽減措置が適用されないケースが出てきたのです。そうなれば、使用していない老朽化している住宅に、高い税金が課せられることになります。しかし再建築不可の土地であれば、安易に更地にしてしまえば、新築ができなくなってしまいます。
再建築不可とはいえ、不動産として活用できる余地は残されています。今にも倒壊しそうな老朽物件を所有しているだけで、固定資産税を払っている方もいれば、資産として上手く活用し、税金が安いという恩恵を受けている方もいます。必ず課せられる固定資産税を、メリット・デメリットどちらと感じるのかは、所有者の活用スキル次第なのです。
リフォームを施して有効活用を目指すためにも、私どものような専門家へご相談ください。