着付け師の技術の伝承について考えること

杉山幸恵

杉山幸恵

テーマ:着付け師

コロナが落ち着き始めた今年の春ごろから、着付け師を目指し遠方からの参加希望が増えてきました。当スクールでは「着付け師」を目指す方へおすすめしており、入学時は現時点での着付技術を確認させていただいております。その上で改善していくために最短のオリジナルカリキュラムを作成することもあります。

25年程着付け技術を伝えてきた中で最近思うことは、何となくわからない箇所はYouTubeなどネットで検索でき、出来た気になってしまう。このような表面的な「着付け」が増えてきたように思います。表面だけの手の動きや手順を覚えても、すべてが自分の着付けに当てはまるわけではありません。毎回、着付けをするお客様は様々ですし、補正ももちろんですが、大切な紐のテンションのバランスなど理解しているのでしょうか?、毎回必ず伝えている「空気を抜く着付け」などなど。

◎質問の大半は下記です。
「なぜか着姿がしっくりこない」
「締めているのに帯が緩む・後で着物が落ちてくる」
「衿が詰まってくる」
「おはしょりがきれいにできない」

上記の原因は次の通りです。
①補正の入れる位置が間違っている。
②空気を抜いて着付けていない
③布目が通っていない
④紐や帯を締めるときのテンションのバランスが悪い
⑤全体を引いてみることができない

この着付け技術を伝承していくことが私の使命だと感じています。

先日、着付け師20年の方が訪ねてこられました。
技術を拝見させていただくと⑤つのポイントは理解されていないようで力任せの着付の感がありました。自分が納得できるきれいな着付けをどれぐらい経験してきたか...それが大切です。

一人でも多くの着付け師に、この日本の伝統技術をしっかり伝承していきたいと思ったこの一か月でした。
着付け師

先日の神社結婚式では、このようなお幸せな新郎新婦とご家族様のサポートができることは
着付け師でいて良かったなと思う瞬間でもありました。
着付け師2

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

杉山幸恵
専門家

杉山幸恵(着付け師)

株式会社 アントワープブライダル

今まで10,000件以上の着付けを経験し培ってきた顧客コミュニケーションを元に苦しくなく着崩れしない着付けに定評がある。プロの着付け師を育てる技術とビジネスマナーを指導。

杉山幸恵プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

現代の和を提案する着付師&ウエディングプランナー

杉山幸恵プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼