ダイエットは我慢が必要?食欲に振り回されない体型管理の考え方
40代、50代になると、体重の数字以上に、お腹まわりの変化が気になり始めます。
以前と同じように生活しているつもりなのに、服のウエストがきつくなり、写真に写った自分の姿に違和感を覚える。健康診断で体重や血糖を指摘されても、仕事もできていて、日常生活にも大きな支障がなければ、まだ急いで痩せなくてもよいと思ってしまいます。
けれど、その「まだ大丈夫」が続いている間にも、体の中では少しずつ変化が積み重なっています。
お腹まわりの脂肪は、単に見た目や年齢のせいとして片づけられるものではありません。
近年、中年期の内臓脂肪と、将来の脳の健康に関係する変化との関連が報告されています。
内臓脂肪と脳の変化に関連が報告されている
米国国立老化研究所が紹介した研究では、認知機能に問題のない40~60歳の男女を対象に、腹部の脂肪やインスリン抵抗性と、脳画像上の変化との関係が調べられました。
その結果、内臓脂肪が多いことやインスリン抵抗性が高いことは、アルツハイマー病で影響を受けやすい脳領域の皮質が薄いことと関連していました。また男性では、内臓脂肪の多さと、アルツハイマー病に関係するアミロイドβの蓄積との関連も見られました。
ただし、これは少人数を対象とした初期段階の研究です。
「内臓脂肪が認知症を引き起こす」
「痩せれば認知症を予防できる」
と証明されたわけではありません。
それでも、内臓脂肪を「見た目の問題だから」と放置しないほうがよい理由の一つにはなります。
「まだ大丈夫」と思える時期ほど後回しになる
体重や腹囲が少し増えても、すぐに仕事ができなくなるわけではありません。
会食にも行ける。
好きなものも食べられる。
健康診断で注意されても、日常生活には困っていない。
だからこそ、「本気で痩せるのはもう少し先でいい」と考えやすくなります。
しかし、体重や腹囲は、ある日突然増えるものではありません。
忙しいから仕方がない。
会食が続いたから仕方がない。
年齢のせいだから仕方がない。
そうした小さな積み重ねによって、少しずつ変化していきます。
「痩せたほうがいい」と感じながら何年も過ごしているなら、問題は一時的な体重増加ではなく、増えた状態が日常になりつつあることです。
痩せる目的は、細くなることだけではない
「今さら細い体型を目指さなくてもいい」
「見た目はそれほど気にしていない」
そう思う人もいるでしょう。
もちろん、誰もが細くなる必要はありません。体重だけで健康状態を判断することもできませんし、痩せればすべての病気を防げるわけでもありません。
それでも、お腹まわりが年々大きくなっている、健康診断の数値が悪化している、以前より疲れやすくなったという変化があるなら、外見とは別の問題として考える必要があります。
痩せる目的は、洋服をきれいに着ることだけではありません。
仕事を続けられる体力を保つこと。
趣味を楽しめる状態を守ること。
年齢を重ねても、自分のことを自分でできること。
将来の健康について、今できる選択をしておくこと。
体型を整えることは、これからの生活を守ることにもつながります。
「自分で選んで変えられる今」を逃さない
健康上の問題が起きてから生活を変えることと、問題が起きる前に自分の意思で見直すことは、同じではありません。
病気になり、医師から食事や生活を変えるよう言われれば、それは自由な選択ではなく、必要に迫られた対応になります。
一方、今すぐ大きな問題が起きていない段階なら、自分の仕事や生活を大切にしながら、これからの体をどう管理するかを選べます。
「まだ大丈夫」という時期は、何もしなくてよい時期ではなく、自分で選んで変えられる時期です。
次の健康診断でさらに数値が悪くなったら。
もっと体重が増えたら。
仕事が落ち着いたら。
そう考えている間にも、年齢とともに体は変化していきます。
痩せたほうがいいと感じている時点で、すでに一度立ち止まって考える理由はあります。
お腹まわりの変化を、単に見た目の問題として終わらせないこと。
将来も自分らしく働き、動き、楽しむために、自由に選べる今のうちに、自分の体と向き合ってみてはいかがでしょうか。


