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「勉強しなさい!」
そう言わないと、
なかなか宿題を始めない。
何度も声をかけて、
ようやく机に向かったと思ったら、
今度は鉛筆を持ったままぼんやりしている。
そんなお子さまの姿を見て、
困っている保護者の方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
「いつになったら
自分から勉強するようになるのだろう」
「毎日言い続けなければいけないのだろうか」
「何も言わなくなったら、
本当に勉強しなくなるのではないか」
こうした悩みは、
決して珍しいものではありません。
以前、
未来舎のコラムでも、
勉強を始めやすい環境や
習慣づくりについてお話ししました。
関連記事
「勉強しなさい」と言わない習慣|徳島の学童・塾 未来舎の考える学習習慣
今回は、
そこからもう一歩踏み込んで
考えてみたいと思います。
そもそも、
子どもはなぜ、
勉強しなければならないと分かっていても、
自分から始められないのでしょうか。
そして、
親が「勉強しなさい」と言わなくなれば、
本当に自主性は育つのでしょうか。
私は、
「勉強しなさい」と言う回数を減らすこと自体が、
子育ての目標ではない
と考えています。
本当に大切なのは、
子どもが自分で考え、
行動し、
うまくいかなかったときには
自分で立て直せるようになることです。
そのために、
保護者はどのように関わればよいのでしょうか。
「勉強しない子」ではなく、「勉強を始められない子」かもしれない
まず考えてほしいのは、
子どもが勉強を始めない理由です。
宿題があることは分かっている。
今日中に終わらせなければならないことも分かっている。
それなのに、
なかなか取りかかれない。
こうした姿を見ると、
「やる気がない」
「面倒くさがっている」
と思ってしまうかもしれません。
もちろん、
遊びたいから
勉強を後回しにしている場合も
あるでしょう。
しかし、
それだけでは
説明できないこともあります。
私たち大人も、
やらなければならないと分かっている仕事を、
つい後回しにしてしまうことはないでしょうか。
例えば、
書類を整理しなければならないと思っていても、
どこから手をつければよいのか分からず、
なかなか始められない。
やることが多すぎて、
考えるだけで疲れてしまう。
目の前にもっと楽しいことがあって、
ついそちらを優先してしまう。
こうした経験は、
大人にもあると思います。
子どもも同じです。
勉強を始めるためには、
単に「やろう」と思うだけでは足りません。
何をするのかを把握する。
どの順番で取り組むのかを決める。
遊びたい気持ちをいったん切り替える。
必要な道具を準備する。
そして、実際に最初の問題に取りかかる。
一見簡単に見える
「宿題を始める」という行動にも、
いくつもの段階があります。
こうした行動には、
計画を立てたり、
気持ちを切り替えたり、
自分の行動を調整したりする力が
関わっています。
心理学などでは、
これらに関係する働きを
「実行機能」と呼ぶことがあります。
この力は
子どもの成長とともに
発達していくもので、
小学生が
最初から大人と同じように
行動を管理できるわけではありません。
例えば、
保護者が
「宿題をしなさい」
と言うとすぐに勉強を始める子が
いたとします。
その子は、
勉強する能力がないわけでも、
宿題の大切さを
理解していないわけでも
ないかもしれません。
ただ、
自分で行動を切り替えることが、
まだ苦手なのかもしれないのです。
このように考えると、
必要な対応も変わってきます。
「どうすればやる気を出させられるか」
だけではなく、
「勉強を始めるまでの、どの段階で困っているのだろうか」
と考えることができるからです。
例えば、
何から始めればよいのか分からない子には、
宿題を一緒に確認することが
役立つかもしれません。
遊びから勉強への切り替えが苦手な子には、
始める時間を事前に決めたり、
区切りを知らせたりする工夫が
必要かもしれません。
問題が難しくて手が止まる子には、
学習内容そのものへのサポートが必要でしょう。
また、
学校で一日頑張ってきた子どもが、
家では気が緩んでしまうこともあります。
この点については、
以前のコラムでも詳しくお話ししています。
関連記事
【小学生】学校ではできているのに家ではできない?「学校ではしっかりしている子」を叱る前に考えたいこと
大切なのは、
勉強を始めないという結果だけを見て、
子どもの性格や意欲を決めつけないことです。
原因が分かれば、
必要な手助けも見えてきます。
「自分で決めること」が大切。でも、何でも自由に決めさせればよいわけではない
子どもの自主性を育てるためには、
自分で決める経験が大切だといわれます。
私も、その考えには賛成です。
しかし、ここで注意してほしいことがあります。
それは、
「自分で決めさせること」と
「すべてを子ども任せにすること」は違う
という点です。
例えば、小学校2年生の子どもに、
「宿題をいつするかは自分で決めていいよ」
と伝えたとします。
すると、
「夜になってからする」
と答えるかもしれません。
ところが、
夜になると眠くなってしまい、
結局宿題が終わらなかった。
そこで保護者が、
「自分で決めたんだから、ちゃんとしなさい!」
と叱ってしまう。
これでは、
子どもに決めさせたことが、
かえって親子の衝突につながってしまいます。
そもそも、
小学生が自分の体力や集中力を見通し、
無理のない計画を立てることは、
簡単ではありません。
だからこそ、
最初は大人が一緒に考える必要があります。
例えば、
「宿題は今日中に終わらせようね。
おやつの後と夕食の前だったら、
どちらがやりやすそう?」
と聞いてみる。
この場合、
宿題をすること自体は
必要なこととして伝えています。
そのうえで、
取り組むタイミングを
子どもに選んでもらうのです。
あるいは、
「漢字と算数、どちらから始める?」
「今日はどこまでなら集中してできそう?」
と聞くこともできます。
ここで重要なのは、
子どもに選択肢を与えることだけでは
ありません。
自分で決めたことを、
実際にやってみる経験を積むこと
です。
そして、
うまくいかなかったときには、
決め方を見直します。
例えば、
夕食の前に宿題をすると決めたのに、
遊びに夢中になってできなかったとします。
そんなとき、
「だからおやつの後にしなさいって言ったでしょう」
と結論を出すのは簡単です。
しかし、
それでは
子どもが自分で考える機会が
なくなってしまいます。
「夕食の前にやる予定だったけれど、
何が難しかったかな?」
「遊び始める前に宿題をした方がよさそう?」
「明日はどうしてみようか?」
このように、
一緒に振り返ることができます。
もちろん、
毎回子どもの考えに合わせる必要はありません。
睡眠時間が削られるような計画や、
明らかに無理のある予定であれば、
大人が調整することも必要です。
自主性を育てるというのは、
子どもの希望を
すべて認めることではないのです。
私は、
家庭学習における保護者の役割は、
少しずつ変わっていくものだと考えています。
最初は、
大人が勉強する時間や内容を決める。
次に、大人と子どもが一緒に決める。
そして、
子ども自身が考えて決める部分を増やしていく。
最後には、
自分で決め、
自分で実行し、
自分で振り返ることができるようになる。
この過程を、
焦らず進めていくことが
大切なのではないでしょうか。
本当に育てたいのは「勉強する習慣」よりも、その先にある力
ここで、
もう一つ考えてみたいことがあります。
毎日決まった時間に机に向かえる子どもは、
本当に自主的に勉強できているのでしょうか。
例えば、
毎日午後5時になると、
保護者に言われなくても机に向かう子がいたとします。
これは、とても良い習慣です。
しかし、その子が、
「今日は何を勉強するの?」
「どの問題集をやればいいの?」
「何ページまでやれば終わり?」
と、毎回大人の指示を待っているとしたら
どうでしょうか。
勉強を始める習慣は身についていても、
自分で学習を進める力は、
まだ十分に育っていないかもしれません。
反対に、
勉強を始めるまでに少し時間がかかっても、
「昨日、
算数の文章問題ができなかったから、
今日はそこを復習しよう」
と考えられる子どももいるでしょう。
私は、
将来的には、
このように自分に必要な勉強を
考えられるようになってほしいと
思っています。
なぜなら、
中学生、高校生と学年が上がるにつれて、
学習内容は複雑になり、
自分で課題を見つけることが
重要になるからです。
小学校低学年のうちは、
与えられた宿題を
きちんと終わらせることが、
家庭学習の中心になるかもしれません。
しかし、
高学年になれば、
ただ宿題を終わらせるだけでは
十分でない場合も出てきます。
漢字のテストで間違いが多かった。
算数の割合の問題が理解できなかった。
国語の文章問題で、
いつも同じような間違いをしている。
そんなときに、
「次は何を勉強すればいいだろう?」
と考えることができるかどうか。
ここに、
大きな違いが生まれると思います。
私は、
学習習慣には二つの段階があると
考えています。
一つ目は、
勉強を始められるようになること
二つ目は、
自分に必要な勉強を考えられるようになること
です。
最初の段階では、
勉強する時間や場所を決めることが
役立ちます。
しかし、そこだけで終わらせず、少しずつ、
「今日は何ができるようになった?」
「まだ分からないところはある?」
「明日は何を勉強するとよさそう?」
と問いかけてみてほしいのです。
もちろん、
小学校低学年の子どもが、
最初から自分の苦手な部分を
正確に説明できるわけではありません。
「分からないところが分からない」
ということもあるでしょう。
その場合は、
大人が一緒に問題を見ながら、
少しずつ整理していけばよいのです。
例えば、算数のテストを見ながら、
「計算は全部できているね。
でも文章問題は難しかったみたいだね」
と伝える。
そして、
「文章を読んで、
何を求めるか考えるところが難しかった?」
と聞いてみる。
こうした会話を重ねることで、
自分の得意なことや
苦手なことに目を向ける練習ができます。
ただ長い時間勉強するのではなく、
何のために勉強するのかを考える。
言われた問題を解くだけでなく、
自分に必要な問題を選べるようになる。
それこそが、
家庭学習を通して育てたい力の一つでは
ないでしょうか。
親が手を離すタイミングは、年齢ではなく「できるようになったこと」で考える
では、
保護者は
いつまで子どもの勉強を
見てあげればよいのでしょうか。
小学校3年生になったら
一人で勉強させるべきでしょうか。
高学年になったら、
宿題の確認をやめるべきでしょうか。
私は、
学年だけで決める必要は
ないと思っています。
同じ小学4年生でも、
自分で計画を立てられる子もいれば、
まだ大人の手助けが必要な子もいます。
大切なのは、
子どもが
何を自分でできるようになったのかを見ながら、
関わり方を変えていくことです。
例えば、最初は保護者が、
「宿題を始める時間だよ」
と声をかけていたとします。
それが習慣になってきたら、
「今日は何時から始める予定だった?」
という確認に変えてみる。
さらに、
自分で時間を意識できるようになったら、
毎日の確認を少し減らしてみる。
ただし、
ここで重要なのは、
声をかける回数だけを減らさないことです。
子どもがまだ自分で行動を管理できない状態なのに、
急に何も言わなくなれば、
勉強できない日が増えてしまうかもしれません。
それを見て、
「やっぱり、この子は言わないと勉強しない」
と考えてしまう。
しかし、
本当は、
手助けを減らすタイミングが
少し早かっただけかもしれません。
私は、
子どもが自分でできることが増えた分だけ、
大人の手助けを減らしていく
ことが大切だと考えています。
また、
手助けを減らしたあとに、
再びサポートが必要になることもあります。
学年が上がって宿題が難しくなった。
習い事が増えて、時間の使い方が変わった。
学校で疲れることが多くなった。
そんなときには、
一時的に
大人が一緒に計画を立て直してもよいのです。
一度できるようになったことを、
いつでも同じようにできるとは限りません。
子どもの成長は、
一直線に進むものではないからです。
そして、
もう一つ忘れてほしくないことがあります。
それは、
失敗する経験にも
意味があるということです。
自分で勉強する時間を決めたけれど、
うまくいかなかった。
宿題を後回しにして、
夜になって困った。
テスト勉強をしたつもりだったのに、
思ったような点数が取れなかった。
こうした経験は、
子どもが自分の行動を振り返る
きっかけになります。
もちろん、
大きな負担や深刻な不利益につながることまで、
放っておく必要はありません。
しかし、
やり直せる失敗であれば、
大人が先回りしてすべて防ぐのではなく、
失敗したあとに
一緒に考えることも大切だと思います。
この点については、
以前のコラムでも
詳しく取り上げています。
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未来舎でも、
子どもたちに問題の答えを教えることだけが、
指導の目的ではありません。
自分で考えてみる。
間違えた原因を探す。
必要なところを復習する。
そして、もう一度挑戦する。
こうした経験を通して、
自分で学習を進める力を
身につけてほしいと考えています。
家庭学習でも同じです。
「勉強しなさい」と言わなくても、
毎日きちんと勉強する。
それは、一つの成長でしょう。
しかし、
私がその先に期待しているのは、
「何を勉強すればよいのか」を
自分で考えられるようになること
です。
子どもがなかなか宿題を始めないとき、
つい「早く勉強しなさい」と
言いたくなることもあると思います。
そんなときには、
少しだけ視点を変えてみてください。
「なぜ、この子は勉強を始められないのだろう?」
「今、どんな手助けが必要なのだろう?」
「どこまでなら、自分で決められるだろう?」
そう考えることで、
声のかけ方も変わってくるかもしれません。
最初は大人と一緒に考える。
次に、自分で決めてみる。
うまくいかなければ、
振り返ってやり直す。
そして、
少しずつ大人の手を離れていく。
「勉強しなさい」と言わなくても
勉強する子を育てることよりも、
自分で考え、
自分で学び続けられる子を育てること。
私は、
そこを目指したいと思っています。
未来舎では、
一人ひとりの学習状況に合わせた指導を通して、
子どもたちが自分で考え、
自分から学ぶ力を育てることを大切にしています。
家庭学習の習慣づくりや、
お子さまの勉強についてお悩みの方は、
お気軽にご相談ください。
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