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【小学生・中学生】「集中力がない」のにゲームは何時間でもできるのはなぜ?勉強に集中できない子を考える

原田恭兵

原田恭兵

テーマ:教育

「うちの子、本当に集中力がなくて……」

保護者の方から、
そんな話を聞くことがあります。

机に向かって勉強を始めても、
10分ほどすると鉛筆が止まる。

周りを見たり、
別のことを始めたり、
「疲れた」と言ったりする。

ところがゲームになると、
30分、1時間と夢中になっている。

すると、

「ゲームにはあんなに集中できるのに、
どうして勉強には集中できないの?」

と思ってしまいますよね。

でも、この様子だけを見て、

「集中力がない」
「勉強する気がない」と
決めつけるのは少し早いかもしれません。

ゲームと勉強では、
子どもが集中しやすくなる条件が
かなり違うからです。

今回は、
ゲームには集中できるのに
勉強には集中できない理由と、
家庭でできる工夫について考えてみます。

「勉強は10分、ゲームは1時間」なら集中力はある?

まず考えてほしいのは、

集中力は、
どんな場面でも同じように発揮されるものではない

ということです。

好きな本なら長時間読める。

好きな工作なら黙々と続けられる。

スポーツなら何時間でも練習できる。

でも、苦手な計算問題になると10分も続かない。

大人でも似たようなことがあります。

好きなことには夢中になれても、
難しくてゴールの見えない作業を
長時間続けるのは簡単ではありません。

ですから、

「ゲームに1時間集中できるんだから、
勉強にも1時間集中できるでしょ」

と単純には考えない方がいいでしょう。

逆に、

「勉強に集中できないから、この子には集中力がない」

とも限りません。

「集中力がある・ない」ではなく、
「どんな条件なら集中しやすいのか」
と考えてみる。

ここから始めてみてください。

なぜゲームには集中しやすい?「すぐ分かる」が一つのポイント

ゲームには、
取り組みを続けやすくする仕組みが
たくさんあります。

敵を倒した。

点数が増えた。

レベルが上がった。

新しいアイテムを手に入れた。

失敗した。

もう一度挑戦する。

自分の行動に対する結果が比較的すぐに返ってきます。

ゲームやゲーミフィケーションに関する研究でも、
明確な目標やフィードバック、
達成感、自分で選んで行動している感覚などが、
意欲や没頭と関係することが研究されています。

つまりゲームは、

「今、何をすればいいか」
「できたかどうか」
「次に何をすればいいか」が
分かりやすい

ように作られていることが多いのです。

もちろん、
すべてのゲームが同じではありませんし、
ゲームなら誰でも集中できるわけでもありません。

ただ、
子どもがゲームに集中している姿を
見るときには、

「ゲームだから集中できる」

だけではなく、

「集中しやすい条件がそろっているのでは?」

と考えてみると、
勉強にも応用できるヒントが見えてきます。

勉強は「どこまでやれば終わり?」が分かりにくい

では、勉強はどうでしょう。

例えば、

「今日は1時間勉強しなさい」

と言われたとします。

子どもからすると、
ゴールは「1時間が経過すること」です。

問題を解いても、まだ50分。

さらに解いても、まだ40分。

これでは「できた」という感覚を
得にくいことがあります。

しかも、分からない問題が出てくると、

考える。

分からない。

もう一度読む。

それでも分からない。

そこで一気に集中が切れてしまうこともあります。

一方、ゲームでは、

「このステージをクリアする」

「あと一人倒す」

「次のレベルまで上げる」

など、目標が比較的はっきりしています。

ならば勉強も、少し工夫できます。

「何分やるか」だけではなく、
「何を終わらせるか」を見えるようにする。

これだけでも、
取り組み方が変わる子はいます。

「1時間勉強しなさい」より「ここまでやろう」

家庭ですぐできる方法があります。

例えば、

「1時間勉強しなさい」

ではなく、

「まず数学のこの2ページをやろう」

「漢字を10個覚えよう」

「この5問が終わったら一度休憩しよう」

と区切ります。

大切なのは、

子どもから見て「終わり」が分かることです。

さらに、
最初から大きすぎる目標にしないことも重要です。

20ページある問題集を見て、

「今日これ全部ね」

と言われるのと、

「まずここまでやってみよう」

と言われるのでは、
始めるときの負担感が違います。

終わったら、

「できたね。じゃあ次はどうする?」

と次の目標を決める。

こうして勉強にも、

目標 → 挑戦 → 終了 → 確認 → 次の目標

という区切りを作っていきます。

ゲームを勉強に変える必要はありません。

ただ、
ゲームにある「取り組みやすさ」から、
勉強の環境づくりを考えることはできます。

勉強に集中できない原因を「やる気」だけにしない

それでも集中できない場合には、

「やる気がない!」

で終わらせる前に、
もう少し原因を探してみてください。

例えば、

問題が難しすぎないか。

逆に簡単すぎないか。

何をすればいいのか本人が分かっているか。

机の上にスマホが置かれていないか。

通知が来る状態になっていないか。

テレビがついていないか。

疲れている時間帯ではないか。

睡眠不足になっていないか。

勉強する内容が多すぎないか。

集中できない理由は一つとは限りません。

以前の記事でもお伝えしましたが、
スマートフォンについても、
頻繁な確認と注意をコントロールする力との
関連を示した研究があります。

ですから、

「集中しなさい」と本人に頑張らせるだけでなく、
「集中しやすい環境になっているか」を
大人が一緒に確認する

ことも大切です。

関連記事
「ケアレスミスが多いのはなぜ?スマホと集中力の関係を考える」

「どうしてスマホ?キッズケータイではダメですか?」

「集中力がない子」ではなく「集中できる条件」を探してみる

勉強を10分しか続けられない。

ゲームなら1時間でもできる。

その姿を見て、

「ゲームには集中できるんだから、勉強だってできるはず」

と思う気持ちはよく分かります。

でも、そこで子どもを、

「集中力がない子」

「やる気がない子」

と決めつけないでほしいと思います。

見るべきなのは、

「この子は、どんな条件なら集中できるのだろう?」

ということです。

目標を小さくする。

終わりを見えるようにする。

難しすぎる問題から始めない。

できたことを確認する。

スマホなど気が散るものを遠ざける。

少しずつ「集中しやすい条件」を整えていく。

未来舎でも、
ただ長時間机に座らせることが
勉強だとは考えていません。

大切なのは、子ども自身が、

「ここまでやってみよう」

「できた」

「次もやってみよう」

と思える経験を積み重ねていくことです。

勉強に集中できないとき、
「もっと集中しなさい」と言う前に、
集中できる環境や勉強のやり方を
一度見直してみませんか。


未来舎では、
一人ひとりの
「分からない」
「続かない」
「勉強の仕方が分からない」
といったところから、
学習をサポートしています。

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【参考資料】
ゲーム・ゲーミフィケーションと集中・動機づけについては、
ゲームに含まれる即時的なフィードバックや、
達成感・自律性などと
意欲や没頭との関係が研究されています。

ただし、
これらの研究から
「ゲームに集中できる子なら
勉強にも同じだけ集中できる」と
結論づけることはできません。

・Frontiers in Psychology「The effect of basic psychological needs on the flow experience in a digital gamified learning setting」
https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2013.00607/full?utm_source=chatgpt.com

・Frontiers in Psychology「Gaming science: the “Gamification” of scientific thinking」
https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2013.00607/full?utm_source=chatgpt.com

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原田恭兵
専門家

原田恭兵(塾講師)

学童塾 (株)未来舎

子ども達一人一人をよく見ること、いいところがあったらすぐ褒めること、コミュニケーションをしっかり取ることを重視しています。だからこそ、それぞれの伸ばすべき個性を生かし、人間力と学力を育みます。

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