その痛み、「休ませる」が正解とは限りません ― 理学療法士が考える動くか止まるかの見極め方

「何回くらい通えば良くなりますか?」
初めてご相談いただく際に、最も多くいただく質問の一つです。費用や時間を考えれば、気になるのは当然のことだと思います。
しかし、この質問に「○回で良くなります」とお答えすることはできません。回数は病名ではなく、現在の身体の状態や目標によって大きく変わるからです。私自身、臨床の中で「とにかく回数をこなす」ことが目的化してしまい、本来の目標を見失ってしまうケースを見てきました。回数ではなく、目的から逆算して考えることを大切にしています。
今回は、リハビリ回数の考え方についてお伝えします。
回数よりも大切なのは「目的」
・ 痛みを軽減したい
・ 杖なしで歩けるようになりたい
・ 趣味を再開したい
・ 仕事へ復帰したい
・ 転倒を予防したい
これらはすべて目的が異なります。目的が違えば、必要な期間も取り組む内容も変わります。まずは「どのような生活を送りたいのか」を明確にすることが出発点です。
身体の状態によって必要な期間は異なります
同じ脳卒中後の方でも、麻痺の程度や発症からの経過期間、生活環境によって必要なサポートはまったく異なります。パーキンソン病や整形外科術後の方も同様に、年齢・体力・既往歴によって進め方は変わります。そのため、「○回で改善します」と一律にお伝えすることはできません。
T-performanceでは段階的に考えています
当施設では、回数を販売することではなく、身体の変化を積み重ねることを大切にしています。「評価→整理→順序設計→介入」という流れで、一般的には次のように進めています。
初期:評価し、土台を整える
姿勢や歩き方、関節の動き、筋力、呼吸、身体の緊張状態などを確認し、今の身体を整理します。必要に応じて生活リズムや食事の状況についてもお伺いします。
中期:目標に向けて身体機能を高める
痛みや動きの改善を目指しながら、日常生活で実践できる動きを増やしていきます。
後期:生活の中で維持・発展させる
仕事や趣味、旅行など、それぞれの目標に合わせた動作へつなげていきます。
「少ない回数でも意味はありますか?」
あります。身体の状態を詳しく知りたい、自宅でできる運動を教えてほしい、今のリハビリ内容を見直したい、という目的で利用される方もいらっしゃいます。
一方で、身体機能の変化を目指す場合には、継続的な取り組みが必要になることもあります。目的に応じて、無理のない計画を一緒に考えることが大切です。
回数よりも「変化」を確認することが重要です
大切なのは「何回通ったか」ではありません。
歩ける距離が伸びた、階段が楽になった、転びにくくなった、趣味を再開できた、仕事に復帰できた。こうした生活の中での変化を確認しながら進めることが重要です。
そのため、定期的に身体の状態を評価し、必要に応じてプログラムを見直していきます。
T-performanceの考え方
T-performanceでは、「回数を売る」のではなく、「目標達成までの道筋をご提案する」ことを大切にしています。
初回評価では、現在の身体の状態だけでなく、どのような生活を送りたいのか、どこまでの改善を目指したいのか、生活リズムやご予算まで含めてお伺いし、一人ひとりに合わせたプランをご提案しています。無理に多くの回数をおすすめすることはありません。
まとめ
リハビリに必要な回数は、一人ひとり異なります。大切なのは「何回受けるか」ではなく、「どのような目標に向かって取り組むか」です。
「自分の場合はどのくらいのサポートが必要なのだろう」
そう感じている方は、一人で悩まず、まずは今の身体の状態と、目指したい生活を教えてください。そこから一緒に、無理のない道筋を考えていきます。


