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やりたいことから始めると、なぜ失敗するのか【女性のためのマイクロビジネス設計論1/10】

橋本貢

橋本貢

テーマ:女性のためのマイクロビジネス設計論


「何か始めたいんです」
「好きなことで起業したいんです」

これまで、数多くのご相談の中で、何度も耳にしてきた言葉です。

そして、その多くが、しばらくするとこう変わります。

「思ったよりうまくいかなくて…」
「集客ができなくて…」
「続けるのがしんどくなってきました」

この変化は、決して珍しいものではありません。むしろ、マイクロビジネスや個人起業においては、極めて典型的なプロセスです。

では、何が起きているのでしょうか。

結論から言えば、「やりたいこと」から始めたこと自体が問題なのではありません。

問題は、その“順番”にあります。

多くの方は、
「やりたいこと → 商品にする → 売る」
という流れで考えます。

しかし、ビジネスの構造は本来、逆です。

「誰の、どんな問題が存在しているのか」
「その問題は、どれほど切実なのか」
「それに対して、自分は何を提供できるのか」

この順番を飛ばしてしまうと、どれだけ魅力的に見える商品でも、市場の中では“存在しないもの”と同じ扱いを受けます。

少し厳しい言い方をすれば、「やりたいこと」は、他人にとってはどうでもいいことです。

これは冷たい話ではなく、極めて健全な現実です。

人は、自分の問題にしかお金を払いません。

にもかかわらず、「やりたいこと」からスタートすると、知らず知らずのうちに視点が自分の内側に閉じていきます。

・どうやって始めようか
・どんなメニューにしようか
・いくらで売ろうか

すべてが「自分起点」で設計されてしまうのです。

その結果、何が起きるか。

売れない理由を「集客」に求めるようになります。

SNSの発信が足りないのではないか
広告を出していないからではないか
もっと頑張らなければいけないのではないか

しかし本質的な問題は、そこではありません。

そもそも、「誰の、どんな問題を解決するのか」が曖昧なままだから、届かないのです。

ここを外すと、どれだけ努力しても、ビジネスは静かに疲弊していきます。

マイクロビジネスは、小さく始められる反面、構造の誤りがそのまま結果に直結します。

大企業のように、広告費で補うこともできませんし、組織でカバーすることもできません。

だからこそ、最初の設計がすべてを決めます。

では、どうすればよいのか。

答えはシンプルです。

「やりたいこと」を起点にするのではなく、「存在している問題」を起点にすること。

そして、その問題の中に、自分の経験や強みがどう重なるのかを見つけていくことです。

この順番に立ち戻るだけで、ビジネスの見え方は大きく変わります。

やりたいことを捨てる必要はありません。

むしろ、それは大切にすべきものです。

ただし、それは“出発点”ではなく、“接続点”です。

市場と、自分の間にある交差点。

そこに立てたとき、はじめて「やりたいこと」は、価値として成立します。

このシリーズでは、ゼロからマイクロビジネスを立ち上げるにあたって、見落とされがちな「構造」に焦点を当てていきます。

感覚や勢いではなく、再現性のある形で。

小さく始めるからこそ、強く続けるために。

次回は、「マイクロビジネスとは何か?」を改めて定義しながら、「小さく始める」という言葉の本当の意味について掘り下げていきます。

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橋本貢
専門家

橋本貢(経営コンサルタント)

しずおか経営サポート

表面的な課題ではなく、売上・組織・戦略の根本構造を見極め、本質的な打ち手を実行まで伴走支援します。経営者の意思決定に寄り添い、成果に直結する改善を行います。

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