正解のない時代にキャリアを創造する【第4回】人材版伊藤レポートとは?人的資本経営との関係をわかりやすく解説
「これまで何をしてきたのか、うまく説明できない」
「今までの経験をこれからどう生かせばいいのか分からない」
そんなときに役立つのが、キャリアの棚卸しです。
キャリアの棚卸しというと、職歴を時系列に整理することを思い浮かべるかもしれません。
もちろん、それも大切です。
しかし、キャリアの棚卸しは、単に「どんな会社で、どんな仕事をしてきたか」を並べるだけではありません。
経験の中から「自分のパターン」を探す
これまでの仕事を振り返ると、
「人と関わる仕事が多かった」
「問題を解決する役割を任されることが多かった」
「新しい仕事を任されると力を発揮できた」
「一人で集中する仕事の方が得意だった」
など、自分でも気づいていなかったパターンが見えてくることがあります。
こうした繰り返しに目を向けることが、キャリアを考える手がかりになります。
成功した経験だけを振り返る必要はない
キャリアの棚卸しでは、成功体験だけを見る必要はありません。
むしろ、
「なぜこの仕事はうまくいかなかったのか」
「どんな環境では力を発揮できなかったのか」
「何が自分にとって負担だったのか」
という経験にも重要な情報があります。
得意なことと苦手なこと。
好きなことと避けたいこと。
大切にしたいことと、妥協できること。
こうしたことを整理することで、自分に合う環境の条件が見えてくる場合があります。
過去を振り返るのは、過去に戻るためではない
キャリアの棚卸しというと、「過去を振り返って何になるのだろう」と思うかもしれません。
しかし、目的は過去を懐かしむことではありません。
これまでの経験から、
「自分はどんな人なのか」
「何を大切にしてきたのか」
「どんな場面で力を発揮してきたのか」
を知り、それをこれからの選択に生かすことです。
過去を振り返ることは、未来を考えるための材料になります。
キャリア相談では、経験を「意味づけ」していきます
一人で職歴を書き出しても、単なる出来事の一覧になってしまうことがあります。
キャリア相談では、その経験について話しながら、
「そのとき何を感じていたのか」
「なぜその行動を選んだのか」
「その経験から何を学んだのか」
といったことも考えていきます。
そうすると、これまで別々だと思っていた経験が、実は一つの流れとしてつながっていることに気づく場合があります。
これまでの経験は、これからの可能性につながる
キャリアは、過去の職歴だけで決まるものではありません。
これまで何を経験し、何を学び、どのような力を身につけてきたのか。
それをこれからどこで、どのように生かすのか。
キャリアの棚卸しは、そのことを考えるための方法です。
「自分には大した経験がない」と思っている人ほど、一度これまでを振り返ってみると、思っていた以上に多くの経験を積み重ねていることがあります。
その経験を言葉にしてみることから、これからのキャリアが見えてくることがあります。



