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人それぞれ「譲れないもの」がある

福島治男

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テーマ:キャリア


前回のコラムでは、「好き嫌い」は単なるわがままではなく、自分らしいキャリアを考えるための大切な視点かもしれない、というお話をしました。

では、その「好き嫌い」はどこから生まれるのでしょうか。

同じ会社で働いていても、人によってやりがいを感じる仕事が違うのはなぜなのでしょうか。

そのヒントになる考え方が、「キャリア・アンカー」という概念です。

人には「譲れない価値観」がある


キャリア・アンカーは、アメリカの組織心理学者エドガー・シャインが提唱した考え方です。

アンカーとは、船のいかりのこと。

船が波に流されないように支える役割があります。

同じように、人にも仕事や人生の選択をするとき、「これだけは大切にしたい」という価値観があります。

それがキャリア・アンカーです。

例えば、

  • 「専門性を高めたい。」
  • 「人を支える仕事がしたい。」
  • 「新しいことに挑戦したい。」
  • 「安定した生活を大切にしたい。」


人によって、大切にしたいものは違います。

どれが正解ということではありません。

だからこそ、「あの人には合う働き方」が、自分にも合うとは限らないのです。

好きなことは、人によって違って当たり前


キャリアに関する相談を受けていると

「自分は何が向いているのか分からない。」

という声を耳にすることがあります。

しかし、お話を伺っていると、

「人の相談に乗ることが好き。」

「一人で集中して作業する時間が好き。」

「新しい企画を考えることが楽しい。」

など、その人らしい特徴が少しずつ見えてくることがあります。

こうした「好き」は、人と比べるものではありません。

その人だけが持っている、大切な価値観です。

正解を探すのではなく、自分を知る


キャリア・アンカーは、「あなたにはこの仕事が向いています」と答えを教えてくれるものではありません。

大切なのは、自分が何を大事にしているのかを知ることです。

転職や昇進、異動など、人生にはさまざまな選択があります。

そんなとき、自分の価値観を理解している人は、「自分は何を大切にしたいのか」という視点から考えることができます。

あなたが大切にしたいものは何ですか


仕事には、責任が伴います。

組織からの期待もあります。

だから、「何でも好きなことだけを仕事にしましょう」という話ではありません。

それでも、自分が何にやりがいを感じ、何を大切にしたいのかを知ることは、自分らしいキャリアを築くための大切な第一歩です。

一度、ご自身に問いかけてみてください。

「私は、どんな仕事をしているときに、時間を忘れるほど夢中になっているだろう。」

組織の中で働いていると、実は自分自身が望んでいることに対して、意識を向けにくくなってしまいます。

しかし自らの心の声の中に、あなたらしいキャリアのヒントが隠れているかもしれません。

このコラムについて、弊社ホームページではより詳しくお伝えしています。

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専門家

福島治男(キャリアコンサルタント)

キャリアデザイン・メンタルサポート株式会社

製造業での会社員経験を生かしたキャリアコンサルティング。丁寧な傾聴で相談者の自律的な成長を支援します。組織課題を可視化することで、働く人と企業が共に成長できる環境づくりに貢献します。

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