外国人雇用啓発月間から考える人的資本経営とダイバーシティ経営

「自分らしい働き方をしたい。」
「もっと自分に合った仕事があるのではないか。」
キャリアに関する相談では、このような言葉を耳にすることがあります。
一方で、私たちは仕事だけではなく、家庭や地域、友人との関わりなど、さまざまな環境の中で生活しています。そのため、「自分らしさ」だけを考えていても、思うようにいかない場面が少なくありません。
では、「自分らしいキャリア」とは、どのように考えればよいのでしょうか。
キャリアは一人でつくるものではない
キャリアというと、資格を取得したことや転職した経験など、「自分が積み重ねてきた経歴」をイメージする人も多いでしょう。
もちろん、それもキャリアの一部です。
しかし、キャリア研究では、「人と環境との相互作用」が重要な要素であると考えられています。
例えば、会社で上司や同僚と関わること、新しい仕事を任されること、家庭で役割が変わること、地域活動に参加することなど、私たちは日々さまざまな環境から影響を受けています。
そして、その経験を通して、自分自身も少しずつ変化していきます。
つまり、キャリアは自分一人だけでつくるものではなく、人や環境との関わりの中で育まれていくものなのです。
「自分らしさ」だけではキャリアはつくれない
「自分らしく生きたい」という考え方は、とても大切です。
しかし現実には、自分の希望だけで仕事や人生を選べる人は多くありません。
会社には会社の役割があり、お客様には期待があります。家庭では家族としての責任もあります。
だからといって、周囲に合わせることだけを優先すると、自分が本当に大切にしたいことを見失ってしまうことがあります。
キャリアを考える上で大切なのは、「環境に合わせること」と「自分らしさ」のどちらかを選ぶことではありません。
その両方をどう重ね合わせていくかという視点です。
「好き」を大切にすることもキャリア
私は、キャリアを考えるとき、「好き嫌い」という言葉をよく使います。
ここでいう好き嫌いは、わがままという意味ではありません。
- 「どんな仕事に興味を持つのか」
- 「どのような働き方が自分に合っているのか」
- 「何を大切にしたいのか」
そうした一人ひとりの価値観や興味・関心は、その人らしいキャリアを考える上で欠かせないものです。
もちろん、すべて思い通りになるわけではありません。
それでも、自分が大切にしたいことを知っている人は、環境の変化があっても、自分なりの選択をしやすくなります。
自分らしいキャリアは環境との対話から生まれる
キャリアは、「自分」と「環境」のどちらか一方だけで決まるものではありません。
仕事や家庭、地域社会など、さまざまな環境との関わりの中で、自分らしさをどのように発揮していくのか。その積み重ねが、その人ならではのキャリアにつながっていきます。
もし今、自分の働き方や将来について迷っているのであれば、「環境を変えるべきか」と考える前に、「自分は何を大切にしたいのか」という視点から整理してみることも、一つの方法かもしれません。
自分らしいキャリアは、自分一人でつくるものではありません。環境との対話を続けながら、一歩ずつ育てていくものなのです。
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