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相続し不動産の名義が違う変更を!変更をせずに放置することのデメリットとは

藪﨑秀實

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テーマ:不動産相続

不動産を相続した場合、名義変更を行いますが特にその期限が設けられているわけではありません。そのため、名義変更をせずそのままにしている相続人がいますが、相続した不動産の名義変更は早めに行うことをおすすめします。今回は、相続登記についてご説明します。

不動産の名義とは

「名義」とは書類などに所有者・責任者として記される人の名前のことです。ですから、不動産の名義変更は、その不動産の所有者の名前を変更することになります。

法務局に必要な書類を提出し、名義変更の手続きを終えると、第三者に対し「この不動産は私のものです。私が所有権を持っています」と主張できるようになります。

亡くなった親の家を相続した場合も、この不動産の名義変更を行うことになります。その際の名義変更を相続登記と言います。つまり、その不動産の名義を被相続人(亡くなった人)から相続人の名義へ変更することで初めて所有者が相続人に変わり、相続人は第三者に対し「この不動産は私のものです。私が所有権を持っています」と主張できるようになります。

相続に際しての名義変更には「いつまでに」という期限がありません。そのまま被相続人の名義にしておいてもかまわないわけですが、相続登記の申請は早めに行うことをおすすめします。次の事例で考えてみましょう。

あの時、名義変更しておけば・・・

もう20年前のことです。兄Aさん、妹B子さんのお父さんが、家と土地、そして、若干の預金を遺し亡くなりました。法定相続人は、お父さんの配偶者であるB子さんのお母さん(法定相続分は1/2)、そして兄のAさん、妹のB子さんです(法定相続分はそれぞれ1/4ずつ)。

しかし、3人で話し合った結果、「お父さんの家にはお母さんがそのまま住めばいい」ということになり、B子さんのお母さんは、そのままB子さんのお父さんが遺した家に一人で暮らすことになりました。しかし、お父さん名義の家と土地の名義変更は行いませんでした。

それから年月がたち、B子さんのお母さんに衰えが目立つようになり、B子さんはお母さんと相談し、お母さんを有料の老人ホームに入れることにしました。そして、そのための資金を得るために、お父さんが遺した家と土地を売却することにしました。

しかし、ここで問題が生じました。兄のAさんはC子さんと結婚し、子どもを1人もうけていましたが5年前に亡くなっています。この場合、お父さんが亡くなった際、兄のAさんが持っていた法定相続分は、配偶者であるC子さんと子どもに半分ずつ渡ることになります(数次相続)。

すると現在、B子さんのお父さんの家と土地を売却するには、B子さんのお母さん、B子さん、兄Aさんの配偶者C子さん、そして兄AさんとC子さんの子どもと合計4人の相続人が遺産分割協議を行って決定しなければなりません。

Cさん母子が、B子さんとB子さんのお母さんが望むように、家と土地の売却に賛成してくれれば問題はありませんが、もしC子さん母子が反対すれば家と土地の売却はできません。

B子さんのお父さんが亡くなり、「お父さんの家にはお母さんがそのまま住めばいい」となった時に、お父さん名義の家と土地をB子さんのお母さん名義に変更をしていれば、こうした問題は起きなかったのです。

被相続人が亡くなった際に名義変更をせず、そのままにしていると相続人の数が増えるなど複雑になり、売却などの手続きが取れなくなる恐れがあります。

名義変更の方法

不動産の名義変更を行うためには、その不動産がある地域を管轄している法務局に名義変更を申請します。上の例では、登記簿上の所有者を亡くなった人(B子さんのお父さん)から相続人(B子さんのお母さんに)に変更する手続き行うわけです。

おおまかな流れを示すと、次のようになります。

(1)対象不動産の登記簿謄本を取得

(2)被相続人の住民票の除票(本籍の記載があるもの)、被相続人の死亡時から出生時までの戸籍 謄本を取得

(3)相続人の現在の戸籍謄本、住民票、対象不動産の固定資産評価証明書を取得

(4)遺産分割協議書の作成

(5)必要書類への署名捺印(印鑑証明書なども取得)

(6)管轄の法務局へ登記を申請(登記申請書と添付書類の提出)

相続不動産の名義変更は自分でできないこともありませんが、かなり面倒ですから、専門家の力を借りることをおすすめします。

名義変更の費用

最後に、名義変更にかかる費用について。

相続登記にかかる主な費用は、登録免許税です。登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%と決まっています。固定資産税評価額が3,000万円の物件であれば、「3,000万円×0.4%=12万円」になります。この固定資産税評価額については、市区町村から送付される固定資産税の課税明細書(納税通知書)に記載されています。

また、申請時に必要となる戸籍謄本や住民票など証明書類の取得費用がかかりますが、すべて合わせても数千円程度の費用と見ていいでしょう。

そして、相続登記の手続きを専門家に代行してもらう場合には、その手数料が発生します。物件の数や業務の範囲によって違ってきますが、これもおおむね10万円~と見ていいでしょう。

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藪﨑秀實
専門家

藪﨑秀實(宅地建物取引士)

株式会社 あいしん不動産

不動産を売りたい人、買いたい人の思いをくみとり、より良い提案をしています。昨今問題になっている空き家のこと、新しい相続の形「家族信託」などの相談にも、専門家などと連携して相談に応じています。

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