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相続した空き家で賃貸経営! 貸し出すためのリフォームのポイントとは

藪﨑秀實

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テーマ:空き家問題と対策

親から相続で引き継いだ実家などに住まない場合、空き家として放置していると劣化が進みます。また空き家でも、固定資産税は支払わなければなりません。空き家のままにせず、賃貸に出して活用することで家に命が吹き込まれます。また、家賃収入を得ることもできます。
今回は空き家で賃貸経営する際のメリットやリフォームのポイントをご紹介します。

相続した空き家の活用方法

親が亡くなり実家を相続したものの、さまざまな事情から実家には住むことができない場合であっても、相続した以上は管理責任が生じます。

また固定資産税の支払い義務もあるため、場合によっては相続放棄を検討する人も多いのではないでしょうか。

しかし、長らく親が住んでいた土地を手放すことに申し訳ない気持ちや、寂しさを感じることもあるでしょう。そういった場合、空き家を借家にして賃貸経営をする方法があります。

総務省が5年ごとに発表している住宅・土地統計調査(平成25年)によると、平成25年の空き家数は820万戸(全戸数の13.5%)で平成20年から63万戸も増加しています。

また野村総合研究所が2014年9月に公表した2023年の空き家率のシナリオによると、世帯数が減少し住宅の除却・減築が進まなければ21%まで拡大するとしています。

年々、空き家が増加している理由は決して一つではありませんが、そのなかでも少子高齢化や核家族化が大きな要因と考えられます。別の地域で家庭を持ち生活基盤をつくってしまったため、実家を相続したものの、もう実家へは帰れないといった人は多いのではないでしょうか。

実家などを空き家のまま放置しておくと、どんどん劣化していきます。そして、その劣化が進み荒れてくると特定空き家に指定され、土地にかかる固定資産税の優遇措置が適用されなくなるうえ、最悪の場合は建物を強制解体されてしまいます。こうした事態を避けるためには、何かしらの方法で空き家を活用しなくてはなりません。

空き家の活用方法として考えられるものは大きく2つあります。

ひとつは相続した本人が別荘のような形で定期的に利用する方法です。この方法であれば、親が長らく住んだ家を自身の手で管理することができます。自分がかつて住んでいた家なので、当時の思い出をそのまま残すという意味では唯一の方法といえます。

そしてもうひとつの方法が、賃貸物件として第三者に貸し出す方法です。この場合、相続した本人が自らの手で管理することは難しくなりますが、住む人がいるため、空き家のように急激に建物が劣化していく心配はありません。

空き家で賃貸経営をするメリット

自分で定期的に訪問して管理する、もしくは賃貸物件として第三者に貸し出す。

相続人のおかれた状況によってどちらを選択するのかは異なりますが、基本的には賃貸物件として貸し出すほうがメリットも多く、相続人本人の負担も軽減されます。

では、空き家を賃貸物件にすることのメリットとはどういったものなのでしょう。

【毎月賃料収入を得ることができる】
本人が定期的に訪問して管理する方法では、修繕費や維持費、そして固定資産税の支払いなど基本的に支出のみで収入は一切ありません。

しかし賃貸物件にすれば、毎月賃料収入を得ることができ、その賃料を家の管理や税金の支払いに回すことができるようになります。

【経年劣化の速度を抑えることができる】
建物は空き家になってしまうと、人が住んでいるときに比べて経年劣化のスピードは速くなります。

賃貸物件にした場合、もちろん大きな修繕、改善は相続人の負担となりますが、日々の掃除や簡単な補修は賃借人が行うため、経年劣化の速度が抑えられるうえ、管理の手間も軽減されます。

【最終的には自分で住むことも可能になる】
今は仕事の都合などで実家に住むことはできないものの、将来的には実家に帰りたいと思っている場合、賃貸住宅にしていればゆくゆくは自分たちで住むこともできます。賃貸経営がリタイア後の資金稼ぎにもなります。

空き家を物件として貸し出すためのリフォームのポイント

空き家を賃貸物件として貸し出す場合、家の劣化具合にもよりますが基本的にはある程度のリフォームは必要になります。そこで、空き家を賃貸物件にするためのリフォームのポイントをご紹介します。

例えば親の存命中に水まわりなどをリフォームしている場合、改めて大きなリフォームをする必要はありません。最初に大規模なリフォームを施さなければ、初期費用が抑えられる分、賃料も安く設定できるため、貸主、借主双方にとってお得な物件となります。

存命中はリフォームをしておらず、そのまま賃貸物件にするのが難しい場合、予算があれば大幅にリフォームをすることで、借主を見つけやすくなりますし、賃料も高く設定することができます。しかしそれほど予算がない場合のリフォームのポイントは、「外観」「水まわり」の2つに集中してお金をかけることです。

外観は家の顔ともいえる部分ですので、壁がひび割れていたり、汚れていたりするだけで賃貸物件としての価値は大きく下がります。また水まわりは快適な生活を送るうえで、最も重要な部分です。

キッチンやトイレ、浴室に清潔感がなかったり使い勝手が悪かったりすると、借主の印象も悪くなりますので、特にこの2カ所に関しては、きちんとリフォームを行うことをおすすめします。

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藪﨑秀實
専門家

藪﨑秀實(宅地建物取引士)

株式会社 あいしん不動産

不動産を売りたい人、買いたい人の思いをくみとり、より良い提案をしています。昨今問題になっている空き家のこと、新しい相続の形「家族信託」などの相談にも、専門家などと連携して相談に応じています。

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