空き家問題のための「空き家等対策特別措置法」ってどんな法律?
住む人のない実家を空き家として置いておくのならば、定期的に訪れ掃除や修繕を行い、維持管理に努めなくてはなりません。
特定空き家に指定されることはなくても、それ以前にさまざまなご近所トラブルに発展することがあります。
火災の危険
消防庁の発表によると、平成28年に発生した火災は3万6773件、このうち放火によるものが3563件と、全体の1割弱を占めています。
人の住んでいない家は標的にされやすく、ゴミや枯草などがあると、あっという間に燃え広がり、ご近所にも延焼する怖れがあります。また、湿ったホコリによるコンセントのトラッキング現象で火災が生じるケースもあります。
木造住宅が密集している地区に、手入れのされていない空き家があれば、近所の方は不安を覚えることでしょう。
不審者の侵入
窓ガラスが割れたまま、ポストにチラシが溜まったまま、夜になっても灯りが点かない。
このような家は空き家と判断され、不審者が出入りするようになります。家財道具がそのままにしてあると、盗難に遭ったり、ホームレスや不法滞在の外国人などが住みついたりするケースもあります。
ゴミの不法投棄
ゴミの不法投棄は、一度行われると、二度、三度と続いていき、同じことをする人が後を絶たなくなり、ゴミ屋敷となってしまいます。
生ごみが捨てられると、悪臭が発生したり、野良猫などが棲みついたりするようになり、ご近所に迷惑をかけることとなります。
倒壊の危険
日本の家屋は木造住宅が多く、ましてや親の家となれば、すでに老朽化が進んでいる上に、いつも戸を閉め切った状態なので湿気がこもってしまいます。
定期的に換気を行わないと、劣化が早まり、本来の強度を失ってしまいます。
とりわけ昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた家は、地震や台風などで倒壊する危険があります。
それによって通行人がケガをしたり、避難経路をふさいだりすると、近隣の住民に多大な迷惑がかかるばかりか、損害賠償を請求される可能性もあります。
景観の悪化
近所に、ゴミ屋敷のような外観の家、あるいは廃墟のような家があると、地域全体のイメージの悪化につながります。
一戸建てにはたいてい庭があり、庭木が伸び放題となって雑草がはびこります。 そうなると外見上見苦しいだけでなく、害虫が発生したり、隣家の敷地に枝が越境したりして迷惑をかけます。
空き家を管理せずに放置しておくと、このようなトラブルが発生する恐れがあります。地域の住民に迷惑をかけないためにも、定期的に訪れて管理をするか、地元の業者に委託するなど対策をとる必要があります。