経営者はなぜ選択に迷うのか?
利益を残すために有効な値上げの方法
こんにちは、サポートコーチ出雲の 山根浩二です。
日本では多くの人が、安いことは良いことだという価値観を持っています。おそらく昭和の時代にスーパーが登場した頃から薄利多売というのが良しとされていたということだと思われます。
でも本当に安い方がいいのでしょうか?
安いということは、原材料を安くする。サービスを安くする。形状を安くする。アフターフォローを減らす。広告費がかけられない。人件費が上げられない。借金が返せない。研究開発費が掛けられない。下請けや仕入先に無理を言わなければいけない。利益が薄いため売れ残りが直に損失につながる。
簡単に言うと自分の体を削ってまで安さを実現しているということです。
要するに薄利多売というのは確実に売れるという確証がある大企業の商売のやり方ということです。
逆に言うと大々的に販売量が増えない中小企業は、利益率の高い高単価の商売をする必要があるということです。
これは以前から出会う方には伝えてたりするんですけど、「商売やってる方が経営が苦しいのは単価が安くて利益が取れないから」ということに尽きます。
せっかく競合他社よりも中身の良いサービスを提供していても、単価が競合他社に合わせているのであれば、利益率がその中身の差の分、低くなり、苦しくなってくるのは当然じゃないですか?
今まで沢山の方の話を聞いてきましたけど、そんな方はたくさんいました。
独自性のある機械設備を設計製造しているのに、設計単価を高くつけることができずに、日々全国をメンテナンスに終われ、借金が全く減らずに困っている。
他店よりも良い材料を使い、良いサービスを行っているサービス業の方、単価は地域の同業他社に合わせているため利益が少なく苦しんでいる。
せっかく製造直売しているのに、 値段をつける時には疑心暗鬼になり安くしなければという強迫観念で高くつけれないため利益が少ない状態が続いている方。
地域の店よりも安くすればいいだろうと単純に考えている方。
製造する独自商品を持ってるとに単価をつけるマインドが弱く、利幅の薄い価格をつけて、社員の給与が安いのは、仕方ないと言われている方。
そもそもそんなに注文が入らないのに、単価を安くして、商売になっていない方。
そんな、たくさんの方の話を聞いてきて思うことは、そもそも儲からないような値段をつけているのが、原因だという事。
もちろん値上げしたらいいんじゃないですかと言うとあれこれと、できない理由を並べてきます。
外部から見ると、まるで上から落ちてくるお金を手の上に乗せきれずに、沢山こぼして捨ててるようなものです。非常にもったいない。
逆に儲かる会社は、最初っから儲かるような仕組みがあり、価格があり、売れれば確実に儲かるようになっているのです。だから売れば売るほど利益が残り儲かっているんです。そして何十年何百年と経営が安定する会社になっている。
ある会計士の方が言っておられた。「単価って売れる価格の最高値をつける」そんな言われてみれば当たり前のことが日本では当たり前じゃないんです。
よく海外旅行に行くと、観光客だとみられると買い物で、交渉しないと、ぼったくられるということがありますが、見方を変えると、単価は決まってないから、できるだけ高く売ろうと努力している。ということも言えます。継続するわけじゃなく一期一会なのですから、それが正解だということです。
では継続する商売の場合だったらどうだろうかということですが、継続するからこそ、不測の事態に備えてきちんと利益を確保しなければいけません。もしクレーム・返品・欠陥品などが、発生した場合に余裕がなければそもそも対処もできないでしょう。
最近聞いた実例があります。長年商売をしている会社で、毎年ある商品に関しては、既に利益を取らずに簡単な加工をしてサービス品として提供していたそうです。
それが今年はクレームが入り、返品・加工のやり直しということになってしまったそうで、そもそも利益を取っていない商品で大赤字だということです。年々お客さんの要望も高まり、全国で価格を比較されるような時代になりましたので、経営判断が重要だという話でした。
ではどうしたらいいか?ということですが、まずは今の現状が正しいのだろうか?という疑問を持つことから始まります。
そして客観的な第三者に話を聞いてもらい。出来ない言い訳を一旦脇において、「もし単価をあげれたら、どんな良いことがあるのだろうか?」と聞いてもらってください。
たくさん答えが出ると思います。そして今まで考えていなかったからこそ気づきがあるでしょう。たくさんのメリットをご自身で理解することがまず第一歩です。
それによってモチベーションも高まります。それからどうやって単価を上げていくのがいいのか?ということをたくさん選択肢を出していきます。
今まで漠然とそれはできないと否定していたことについて、「できるとしたら、どうやる事ができるだろう?」
時間をおいてたくさん答えを出してみてください。
それから実際には、躊躇が起こるかもしれません。そんな時は小さな実験をしてみてください。一部の商品で試してみる。一部の人で試してみる。などその商売によって色々あると思います。
結局は自分で勝手に答えを決めつけて、思い込んでいるだけということに気づいて欲しいのです。
まだまだ、沢山ありますが、今日はここまでにしておきます。