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コラム
老後資金2000万円問題について
2022年2月15日 公開 / 2022年2月21日更新
今日は老後資金2000万円問題について考えてみましょう。
老後資金は2000万円必要だと言われていますが、この数字は2017年の家計調査報告「高齢夫婦無職者世帯」のデータからきています。年金など収入が20.9万円、生活費などの支出が26.4万円として差額の5.5万円が65歳から95歳までの30年間続くものとして計算されたものです。(20.9万円-26.4万円)×12か月×30年=▲1980万円(約2000万円不足) しかし根拠となる数字は毎年変わっています。2020年のデータで計算すると逆にプラスとなります。よって2000万円問題をあまり深刻に考える必要はないと思います。要は収入の範囲で生活すればいいのですから。夫婦2人の場合の平均年金収入は現在22万円程度ですし、夫婦2人が老後生活を送るうえで必要な生活費はいくらかという調査では22万円という数字になっています。この数字から見てもなんとかなりそうですよね。しかし余裕ある生活をするためにはあと14万円くらい必要だとも言われています。また、万一のためにある程度の貯えは必要だと思います。
ところで60歳時点で老後資金がほぼ無い状態の人はどの程度おられると思いますか。なんと4人に1人だそうです。このような方達を含め、貯えが2000万円未満の方は67%もおられます。これは住宅資金や教育資金が嵩み、60歳までに貯えることができなかったためだからだそうです。しかし余裕ある生活するためや万一のためには60歳からでも貯えることが大事です。仮に収入と支出の差額がプラス3万円(月あたり)ですと20年間で720万円の貯えができます。収入を増やせばさらに貯えが増加します。では収入を増やすにはどうしたらいいか。2021年4月に高齢者雇用安定法が改正され、70歳まで就業機会を確保することが努力義務化されましたので、貯蓄がゼロの場合はまずは働いてはいかがですか。そうすれば年金を繰下げ受給(42%増額)する選択肢もできますし、給料と年金の両方もらった場合(在職老齢年金制度を頭に入れて仕事をしてください)は貯蓄もたくさんできますし。
今後は益々高齢になっても働く人が多くなると思いますが、やはり老後の収入の柱は年金です。しかし年金保険料を払っても元が取れないと思って国民年金の保険料を払っていない方も結構おられるようです。国民年金で計算すると10年(76歳)で元が取れます。日本人の平均寿命より相当早く元がとれますのでお得な制度だと思います。やはり老後のお金としては公的年金がもっとも重要です。その事をしっかり頭に入れて、老後資金の準備をしてください。また60歳までに老後資金の準備ができなくても遅くありません。60歳を過ぎてからでも諦めないでこつこつと貯えてください。
今日は2000万円問題についてお話させていただきました。少しでもみなさま方のご参考になれば幸いです。
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