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時効について

井原右治

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テーマ:時効が過ぎただけでは時効は成立しない!

時効というと犯罪が終わった時から一定期間を過ぎると犯人を処罰することができなくなるというケースを多くの人は連想されると思います。もちろん刑法には時効というものがありますが、民法にも時効があります。今日は民法の時効についてお話したいと思います。

借金は一定期間返済していないと時効となりますが、期間が経過すれば自然に借金が消滅するものではありません。債権者に対し「時効により借金は消滅しています」という意思表示しなくてはいけません。これを時効の援用といいますが、時効の援用をしない限り借金はずっと残ったままの状態です。

時効の援用は口頭でも構いませんが、証拠を残すために文書(内容証明・配達証明付)でするのが一般的です。この時注意するのが文書の内容です。はっきりと消滅時効制度を使うことを明言することが重要です。消滅時効という言葉を使っていないと時効の成立が確実なものにならないこともあります。不安な人は弁護士などの専門家に相談するとか、自分で作成する場合はインターネットで調べる(参考文書が載っています)とかした方がいいと思います。時効の援用を行なっても債権者から時効は成立していないと言われることもあります。借金を一定期間返済していなくてもその間に裁判を起こされたり、借金を承認したりするなどがあった場合、時効の更新により時効の成立時期が延びるからです。上記のように時効の意思表示しても債権者より時効はまだ成立していないと言われることもありますので、この点はしかっかりと頭に入れておいてください。

さて時効が成立するとどうなるかですが、もちろん借金の返済義務が無くなるので今後借金を返す必要はありません。また、信用情報に載っている事故情報(一般的にはブラック情報と言われています)が数か月すると削除となります。そうなれば今まで借入ができなかった人も借入することができるようになります。事故情報を確実に抹消してもらうために、時効の援用文書に「本書面を受領後速やかに信用情報機関宛に適切な通知をして、登録された事故情報を抹消されますように併せてお願いいたします。」などの文言を入れておくとよりいいと思います。

今日は民法の時効についてお話させていただきました。ポイントは時効の意思表示をしないと時効は完成しないということです。時効が完成しないと借金は一生ついて回ります。この点をよく理解し必要な方は時効の援用をしてみてください。

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専門家

井原右治(ファイナンシャルプランナー)

株式会社Rightプランニング

銀行や信用保証協会での豊富な融資の経験と、現役しじみ漁師としての自営業者の視点を、住宅購入や相続、家計見直しや中小企業の経営支援に生かしています。お客様の好きなことを諦めないライフプランを提案します。

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