“1~2歳のこだわる”時期に、とことん付き合ってあげないとどうなるか
今、夏のお花が真っ盛り。
色とりどりの花が次々に咲き始め、自然の移ろいを感じるのが楽しい時期です。
子どもたちも、季節の変化をちゃんと感じ取っています。
教室では、こんな会話がよく聞こえてきます。
「先生、そろそろ紫陽花が咲くね」
「先生、もうすぐラベンダーの季節だよ」
誰に教えられたわけでもなく、日々の中で自然と気づき、感じ、覚えていく。
この「感性のアンテナ」は、本当に尊いものです。
けれど最近、少し気になることがあります。
それは——花の名前を知らない子が増えているということ。
もちろん、知っている子は知っているのですが、
知らない子はまったく知らない。
「全部ひっくるめて“お花”」というケースが多いのです。
「チューリップって、いつ咲くか知ってる?」
そう尋ねても、「知らない」と返ってくることも少なくありません。
これは子どもが悪いわけではありません。
暮らしの中に“季節の花”がない、それだけのことかもしれません。
毎日の暮らしの中で、
リビングや玄関に一輪でもいいから生花を飾る習慣はありますか?
特別な花ではなく、道ばたの草花や庭先の一枝でもかまいません。
お花を「飾る」ことは、季節を「迎え入れる」ことでもあります。
また、
お花屋さんに子どもと一緒に立ち寄ってみるのも素敵な体験です。
もちろん、お花は少し高価に感じるかもしれません。
でも、**食べ物が身体の栄養になるように、
花や音楽、美しいものは“心の栄養”**
になります。
可能であれば、育ててみることにも挑戦してみてください。
年長クラスのYくんは、お母さんと一緒に「オジギソウ」を育てているそうです。
朝、登園前に
「帰ったらお水あげるね。待っててね。行ってきま〜す!」
と声をかけてから出かけるそうですよ。
まるで大切な家族に「行ってきます」を言うように。
これからの季節、野菜づくりも楽しいですね。
「土は苦手」「ミミズが怖くて…」という声もありますが、
それも含めて、子どもと一緒に季節を生きるということです。
ちなみに、小学校受験では
「春の花はどれでしょう?」という問題が出されることがあります。
これは知識としての正解を問うのではなく、
**“どんな暮らしをしてきたか”**
を見ているのです。
暮らしの中で自然に触れ、
花の名前を知り、
季節の移ろいを感じながら育った子は、
心の奥に“感受性”という後から身につけることができない貴重な財産を持っているのです。



