春は「発陳」の季節です

山路美晴

山路美晴

テーマ:東洋医学豆知識

【春は誕生の季節】



昼間はとても暖かくなってきましたが、朝夕はまだ少し肌寒いですね。

マスクはしなくてもいいというお達しがありましたが、花粉症の私はマスクをはずせません。


さて、前回「黄帝内経」の春のお話を少ししました。
「黄帝内経」には、「春3ヶ月を発陳という」と書かれています。


「発陳」とは、「発生」のことです。

冬の間土の下に眠っていた全てのものが地上に出てくるという季節です。

木の芽、草の芽だけでなく、虫やカエル、その他の生き物も冬の間じっと閉じこもっていた場所から一斉に顔を出してきます。


生まれたての生き物たちは、みんなふわふわと柔らかく、なんとなく頼りない感じがしますね。


【春は不安定な季節】



春の天気は変わりやすく、不安定です。
また、春に生まれ出た生き物たちも、どことなく未熟で不安定です。

それもそのはず、春という季節は生物で言えば赤ちゃんから思春期までの成長期にあたります。

色では青、つまり「青春」ですね。
ふわふわして、みずみずしく、移ろいやすい。そんな季節です。


そんな不安定な季節なので、自律神経が乱れやすいのですね。
そのため、春になるとアレルギーが出て、湿疹や吹き出物もひどくなったりします。


【春は風の季節】



また、春は風の季節です。
この「風」にもいくつか考え方があります。


ひとつは、文字通り「風邪」、つまり風の邪気です。
これは現代では細菌やウイルスなどの病原体に当たると考えられます。

風の邪気は動きがとても早く、首の後ろから侵入してあっという間に体の奥深くに入ってこようとします。

そのため、この「風の邪気」に対抗するのは、早めの養生が必要です。


もうひとつ、「風」は気圧差のことという考え方があります。
気圧の上下や寒暖差が自律神経=肝を傷めるということです。


【春の養生の基本】



生まれたての赤ちゃんから思春期の若者までのような、不安定で未成熟な春の季節。


そんな春の季節を乗り切るには、
・規律=規則正しい生活
・自由=抑圧しないこと
この二つのバランスが大事です。



早寝早起き、バランスのよい食事という規則正しい生活を送るのはもちろんのこと、
冬の間閉じこもってあまり動かしていなかった体をゆっくり少しずついたわるように動かしていきます。


精神的には自由にのびのびと。

節度は必要ですが、ハイソックスの長さや色まで規定する校則のように外に向かって伸びようとする気持ちを抑えつけてはダメなんですね。

自分や家族、ペットたちの心と体を赤ちゃんを育てるように見直してあげましょう。



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山路美晴
専門家

山路美晴(獣医師)

滋賀ペット治療院

鍼灸・整体など東洋医学に基づく診療で、動物本来が持つ“自分で治ろうとする力”を引き出す。ローラー鍼などの「刺さない鍼」やお灸を用いて、家庭でペットのケアを行う講座を各地で開催している。

山路美晴プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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