世の中は白か黒かに分けられない

山路美晴

山路美晴

テーマ:東洋医学豆知識

【新年のご挨拶】



新しい年になりました。
しばらくコラムの投稿が滞っていましたが、本年もどうかよろしくお願いいたします。

今年の年末年始は我が家地方は暖かい 年越しになりましたが、東北・北陸では 大雪のところもあるようですね。

皆様のところはいかがだったでしょうか。


【陰陽について考える】



さて、このコラムでも何度か取り上げている「陰陽」に ついて、改めて考えてみます。

東洋医学の基本には、

・全ての物は氣でできている
・氣は陰と陽に分かれる

という考え方があります。

こ の「陰陽」というのは、真っ二つにきれいに 分けられるものではないんですね。

東洋医学のシンボルマークのようになっている 陰陽太極図ですが、2つの白と黒の勾玉が 組み合わさったような形になっています。

陰と陽は、増えたり減ったりしながら なだらかに変化します。

陰の中にも陽があり、 陽の中にも陰があります。


陰陽太極図


世の中というのは本来
「白か黒かはっきりさせる」
というのは難しいものなんだと思います。

ところが、実際には「白黒つけたがる」人が多いため、世論は真っ二つになって争いますね。


【是か非か】



たとえば、ワクチンについて 。

「打つべき」という方は全てのワクチンを きっちり打つべきだと主張しますが、
「打つべきではない」という方では ワクチン全てを否定する方もおられます。


注射怖いヨーキー



もし私が「ワクチンを打つべきかどうか」と尋ねられたら、

「打つべきものは打ち、 必要ないものは打たなくてよい」

と答えます。

その他にも、いろんな場面でこの 「是か非か」が見られます。

・犬猫に穀類を食べさせるのは良いか悪いか
・小麦は食べても良いか悪いか
・抗生剤は投与しても良いか悪いか
・ステロイドは良いか悪いか

どんな場合でも、回答は
「是か非か」ではなく、
「是の場合もあれば非の場合もある」が
正しいと私は思います。

理由は、東洋医学では「体質」を重要視する からです。

ある人にとって良い物が別の人にとっても よいとは限りませんし、その逆も然りです。

生肉食で状態のよくなる犬猫もいれば、 悪くなる犬猫もいます。

菜食主義で調子がよくなる人もいれば 逆の人もいます。




何事もバランスが大事で、その人(または犬猫)の体の陰陽との兼ね合いが 重要なのだと思います。


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山路美晴
専門家

山路美晴(獣医師)

滋賀ペット治療院

鍼灸・整体など東洋医学に基づく診療で、動物本来が持つ“自分で治ろうとする力”を引き出す。ローラー鍼などの「刺さない鍼」やお灸を用いて、家庭でペットのケアを行う講座を各地で開催している。

山路美晴プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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