心も体も刺激をほしがっています

山路美晴

山路美晴

テーマ:人と犬猫

【シニアペットとの暮らし】



当院は、鍼灸整体治療を専門としているため、どうしてもシニアの犬猫が受診されることが多いです。

シニアになると、やはり悩みは足腰の弱り。
それと、だんだん活力がなくなってきて、散歩に行きたがらなくなったり食欲が落ちてきて食べ物の好みがうるさくなったりすること。


【シニアは体をいたわるべき?】


足腰が弱くなってくると、ついつい障害物を避けがちです。
散歩していても足がつまずきそうなところをよけたり、できるだけ足に負担がかからないように平らなところを選んで歩いたりしてませんか?

これ、実はよけいに足腰が弱る原因となってしまいます。

シニアになっても足腰を鍛えるためには、ちょっとした負荷をかける必要があります。
階段のように自分の歩幅で歩けないようなところは体に負担がかかってしまいますが、坂道のようなアップダウンは足の筋肉を鍛えるのに最適です。

また、縁石をまたぐように歩かせたり、木の根っこのようなでこぼこしたところを歩かせたり、わざと歩きにくいところを選ぶのも足腰を鍛えるのにいいですね。


⇒ 愛犬を寝たきりにしないために日々のケアを(1)(外部サイトへのリンクです)


【筋力だけが問題ではない】


歩けなくなるのは、必ずしも関節や筋肉の障害が原因というわけではありません。
脳や神経の問題で歩けなくなることもあります。

特に、認知症が進んでくると、歩き方そのものを忘れてしまうことがあります。
犬は普段から後ろ足にあまり意識がありませんので、意識して後ろ足を使わせるようにしないと存在を忘れてしまうことがあるのです。

マッサージで足の先まで触ってあげると、「自分の足はここまで」というのを思い出し、姿勢や歩き方が変わってきます。

また、ちょっとしたつまずきなどで自信をなくしてしまうこともあります。
以前は上れた段差が上れなかったり、ジャンプができなくなったり。

自信がなくなるとよけいに活力が落ちてしまいます。

そんなときは、いつもとちょっと違う道を歩いて気分を変えたり、鼻を使ってできる簡単なゲームをやって自信を取り戻してあげるのもいいと思います。


【筋トレはどこでもできる】


運動やノーズワークは家の中でもできます。
バランスボールがあると、筋力と調整力の両方が鍛えられます。

⇒ シニアの足腰の維持のために〜重陽の節句に寄せて(外部サイトへのリンクです)

バランスボールをする犬

また、今は知育おもちゃもたくさん出ていますので、脳トレにいいですね。

でも、特別な器具がなくても、家にあるクッションやソファーなどを利用して足腰にちょっとした負荷をかける運動や、タオルなどでおやつを隠して鼻で探すゲームなどが可能です。

家の中をまっすぐ歩きにくくすると、足腰だけでなく障害物をよけるために脳も鍛えられます。


ちょっとした刺激が脳と体を鍛えます。

「もうシニアだから仕方ない」と諦めないで、できることをいろいろ工夫してあげてくださいね!



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山路美晴
専門家

山路美晴(獣医師)

滋賀ペット治療院

鍼灸・整体など東洋医学に基づく診療で、動物本来が持つ“自分で治ろうとする力”を引き出す。ローラー鍼などの「刺さない鍼」やお灸を用いて、家庭でペットのケアを行う講座を各地で開催している。

山路美晴プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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