コラム
春にもお灸は地味に効きます!
2022年4月7日
【東洋医学と季節】
各地で桜が満開。
場所によってはもう散ってしまったところもあるようですね。
私が子供の頃に住んでいたところは桃畑が多く、今の時期は桃の花のピンクと菜の花の黄色のコントラストがとても綺麗でした。
そんな春先ですが、ここのところてんかんや前庭疾患の発作を起こす子が多いようで、私の患者さんにもそういうお話をちょいちょい聞きます。
また、膵炎や腎不全の急な悪化も増えています。
やはり、季節の変わり目というのは目には見えないダメージが体に加わるようですね。
春先は肝の気が昂りやすく、気が上半身に滞りがちです。
また、体内の水の循環も悪くなりがちで、その結果いろんなところに不調が現れます。
気や水をうまく巡らすためには、ローラー鍼で全身をコロコロするのももちろん効きますが、お灸も地味に効きます。
特に、腰を中心に温めることで上半身に上った気を下ろし、滞りがちな水の流れをよくします。
実際、なんとなく様子がおかしく、ふらつきが見られたワンちゃんに、飼い主さんがお灸を毎日念入りにしたところ足取りが軽くなってきたと言っておられました。
暖かくなってくるとお灸はついついしまわれがちですが、
「温める=気の流れをよくする」ことだと考えていただくといいと思います!
【湿にもご注意】
もうひとつ、これからの時期にやってくる「湿」の邪も体の大敵です。
実際、「湿邪」は自分でも気がつかないうちに体をじわじわと蝕み、奥深くへと入っていきます。
「風」の邪はスピードが速く、「首の後ろがゾクゾクしたな」と思ってほっておくと、すぐに体の中へと侵入してきます。
でも、こちらは侵入経路がわかりやすいので「入ってきたかな?」と思ったときに急いで対策すればまだ体の表面にいるうちに追い払うことができます。
「湿邪」のやっかいなのは、気がつかないうちにじわじわ・・・というところですね。
特に日本は世界的に見ても湿度の高い国です。
小雨が降ってじけじけするような日は、人間はお風呂にゆったりつかり、犬猫にはお灸でほっこり!
これで春先の変わりやすい天気を乗り切りましょう。
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