ツボの話(1)
ツボは動くからです
鍼灸治療をしていてよく聞かれるのが、
「心臓病に効くツボはありませんか?」
とか
「腎不全が治るツボはありませんか?」
という質問です。
もちろん、心臓の特定の症状に効くツボや腎臓の働きを高めるためのツボというのはありますし、そういうのを治療に使うこともあります。
でも、私は家庭で自分やペットのセルフケアをするときにあまりツボを意識しない方がいいと考えています。
そもそも「ツボ」ってなんなのでしょうか?
東洋医学では、「氣の滞りが病を招く」と考えます。
氣の通り道を「経絡」と言い、各臓器を巡って全身を一つに繋げる筋となっているのですが、便宜上図に書くために線になっているだけで実際は体の隅々まで氣を巡らせているのですから経絡は「面」なんですね。
そして、この道筋のどこに滞りがあるのか皮膚の上から見てわかるところが「ツボ」です。
これは、見た目に明らかに凹んでいたり腫れていたりすることもあるし、触ると熱い、硬い、冷たい、なんとなく張りがない、そういう場所が氣の滞りを示す「ツボ」なのです。
氣の道筋である経絡が面なのですから、ツボも針の先ほどの小さな点ではなく、大きな面であったり細長い筋であったりします。
そして、人によって微妙に場所が違ったり、同じ人でも日によって場所が変わったりします!
ですから、ツボの本を見ながら「頭痛に効くのはこれか」とそこにお灸をしても効かないこともあるし、逆に具合が悪くなることさえあり得ます。
症状からツボを探すのではなく、滞っているところ、硬くなったり冷えたり押して痛いようなところを探して治療した方がいい場合もあります。
ポイントは氣の流れをよくすること
足三里のように、いわゆる「万能のツボ」と言われるようなポピュラーなものは確かにいろんな症状に効果があります。
が、それも日によって変わることもあるので、
「私は胃が悪いから足三里にお灸する」
という教科書的な発想ではなく、自分の体を底上げするために必要なツボを使う必要があります。
温灸器に棒灸をセットしてお灸をする場合、ツボを意識しなくても施術ができること、体全体のバランスを整えるため、手軽にできるのに効果が大きいという利点があります。
せんねん灸でピンポイントでツボを探してお灸をするのももちろんいいのですが、棒灸で広い面をじっくり温めるのがペットと飼い主さん両方のセルフケアにはぴったりだと思います!
ローラー鍼も同じ理由で体全体の氣の巡りをよくするために使ってくださいね!
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このコラムは2020年8が13日のメルマガ記事です。メルマガスタンドの移行に伴いこちらに投稿しました。
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