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山路美晴

ペットと飼い主の心と体を癒やすプロ

山路美晴(やまじみはる) / 獣医師

滋賀ペット治療院

コラム

犬の前庭疾患に鍼治療を試してみませんか?

2019年9月13日 公開 / 2022年3月24日更新

テーマ:鍼灸治療

コラムカテゴリ:趣味

コラムキーワード: 東洋医学

滋賀ペット治療院の山路です。
滋賀県でペットの鍼灸整体治療をしています。

前庭疾患という病気をご存知でしょうか。
何らかの原因で平衡感覚を司る前庭神経というところに異常が起こり、めまいや眼振、吐き気などの平衡感覚の異常が起こる病気です。


前庭疾患と診断されたキャバリア

前庭疾患を引き起こす原因は、中耳炎や内耳炎などの耳の炎症、脳の腫瘍・脳炎・脳梗塞など脳へのダメージ、甲状腺機能低下症など、様々な病気が考えられますが、犬の場合は特に原因のわからない「特発性前庭疾患」がよく見られます。

特発性かどうかを診断するには、動物病院できちんと検査を受ける必要がありますが、特発性の場合は通常3日ぐらいで症状がだんだん治まってきて、一週間もすると元の状態に戻るケースが多いようです。

写真は、ふらつき、眼振、斜頚などの症状が出たため動物病院で検査を受け、特発性前庭疾患と診断されました。
食欲が落ち、足腰も弱るため、飼い主さんにはとても心配な疾患ですね。


鍼を受けるダックス


東洋医学的には、前庭疾患は「肝の気の亢進」と考えられています。
肝の気は体の上の方に上りやすい性質があり、肝の気が強くなりすぎると頭痛やめまい、筋肉痛などが起こります。

通常、肝の気が逆上しないように抑えているのは腎なのですが、年を取って腎が弱くなると肝の気をうまく下ろせなくなってしまいます。

西洋医学的には、肝気の亢進は交感神経の高ぶった状態と考えられます。
つまり、自律神経が乱れると前庭疾患を起こしやすいということになりますね。

また、前庭疾患のワンちゃんには脾胃にむくみがよく見られます。
肝は脾を弱らせる臓器ですので、肝の気が強くなると脾にも影響が出るのだと思われます。

いずれにしても、気の巡りが悪くなった状態ですので、鍼で肝の気をおさえ、腎や脾を補うような治療を行います。

特発性前庭疾患の症状そのものは一週間ほどで収まるのですが、その後斜頚などの後遺症が残ることがあります。
当院で定期的に治療を受けていただいき、「知らない間に愛犬の斜頚が治っていました」と言われることがよくあります。

台風の季節、気圧の上下動が大きいと前庭疾患が起こりやすくなります。
予防やメンテナンスのための鍼治療をぜひお薦めします。

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