精神分析は精神科学に基づき心の病を癒し人間の謎を解き明かす1-4
第一章 生命の始まり 『1_魂の救済』
墓碑銘:宇宙史上最悪の生物
宇宙創成45億年を経て、銀河の端のローカルに太陽系が生まれた。
そしてその中の惑星の一つとして地球が太陽を母としてその周りを回る子供のように、戯れるように自転、公転を繰り返している。その表皮の上に人類・ホモサピエンスは330万年生きている。
人類は経験と知性によって文明を築き、現在に至るが、していることは破壊と殺戮の繰り返しの歴史だけをし続けている。これは、人間の脳に書き込まれている文字は「壊」と「殺」だけであることを証明し、実践しているだけである。
どこに一体「平和」と「愛」があるのだろうか。どれほど宗教が声高にその二つながら説き、叫ぼうととも、人類は一度もそれを地上に顕したことがない。
地上の楽園も天国も極楽も、人類は望んでいないのかもしれないと思わざるを得ないほど、歴史は唯一戦争だけを刻んでこの地上にその爪跡を残し、今尚刻み続けている。
人類の墓碑銘は『宇宙史上最悪の生物』である。
そんな生物が、この宇宙に存在する理由は何だろうかと問いかけざるを得ない。答えはないが、一つだけあるとしたら、愛と憎しみ、平和と戦争を乗り越えて、共存共栄を人類は成し遂げられるかどうかの実験場として、地球に現れた、という仮説である。
私はこれを「神はサイコロを振った」と言い表した。
ならば、辛うじて存在理由の問いになり、人類存在の命題の一つになる。こじつけといえばそれだけのことだが、思索の一つとしてはいい暇つぶしになる。
現状から鑑みるならば、答えは自ずと出てくる。「破滅」である。その第一兆候として、ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナ、ミャンマー他、多くの国々が戦い、内戦とテロを続けている。一向に止める気配はない。むしろ日に日に激しさを増し、死亡者・犠牲者が増えている。
それに加えて、地球環境が温暖化により破壊され、修復できない処に来てしまっている。もう地球は元の地球に戻れないのである。
この二つの事象からして、既に答えと結末は見えている。あとはその時を待つだけ、それが地球と人類の未来である。しかし、例えそうであろうとも、私は人間に問いかけたい。
人間という生物がこの世に存在していることの謎に。その問いに。
人間の究極のテーマ
一つだけ確かなこととして言えることがある。それは、人間は生命活動を営む生物以上の何かを合わせ持っている、多次元生物である、と。
即ち、人は生命を超えた何者かの存在である。それは科学で証明したり、解明することの出来ない、知で把(とら)えることの出来ない何かを持った存在であることは、確かである。
その何かこそ、古来より人が気付いていた「魂」である。目に見えないが、時間と空間を超えて三次元世界では見ることも触れることも出来ない、ある何かを人は宿していることは経験上知っている。生物としての有限性はあるものの、その中に永遠の、時空が及ばない何者かをその生命の中に宿している、不思議な存在なのである、人間は。
人間が今地球上に展開している所業は「死」➩の具現化しかない。それは肉体から魂を解き放つための行為なのであろうか。ユートピアはこの三次元では不可能とみて、四次元に魂を早く送ろうとして、地上に破壊と死をもたらす為、業を選択してしまったのだろうか。その判断の正否は、もう間もなく出るであろう。
いずれにしても、人間の究極のテーマは、魂の救済であると言える。
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