伝わる話し方5つのポイント! 誤解を招かない表現とは

大澤秀行

大澤秀行



テレワークによる働き方が増えた昨今では、メールやLINEをはじめとするSNS上のやり取りが多くなりました。日本語はあいまいな言い回しが大変多い言葉です。相手と対面したコミュニケーションでさえ、誤解が起きたり正確に伝わらないことがあります。ましてや相手が見えず、尚且つ、短文中心になるネット上のやり取りは、自分が伝えたいこととは違う意味で受け取られ、誤解を招いてしまうこともあるのではないでしょうか。
ここでは、ビジネスの場や学校・サークル、地域など業務連絡において、対面であれ、ネット上であれ、誤解を招かず正確に伝わる話し方、表現について紹介します。

会話は情報の正確な把握から

会話とは、事実の交換から始まります。人は皆、自分の解釈で言葉を聞き取ります。特にビジネスの場や学校・サークル・地域などの業務連絡では、どちらにも取れる曖昧な言葉は極力避けなければなりません。情報の正確な把握のためには、誤解のない表現をすることが最も重要になります。

誤解を招く3つの表現

1.あいまいな表現
「こんな感じ」「まあまあ」「そのうちに」など

2.代名詞による表現
「あれ」「それ」「そこ」「そちら」「あっち」など

3.形容詞による表現
「ちょっと」「多少」「少し」「これぐらい」「多分」「だいたい」など

例えば、「後ほど連絡します」と電話をかけて返答されたら、「後ほど」はどれくらいの時間だと思われますか。数分後から数日後まで幅広くないでしょうか。すると話し手と聞き手では大きな差が生じてしまいます。

これら3つの表現は何一つ明快なことは言われていません。人はどうにでも解釈できる曖昧な表現に出会うと、必ず自分に有利なように受け取り思い込みます。そこから、「聞いた」「聞かない」「言った」「言わない」のトラブルに発展することも少なくありません。

伝わる話し方!5つのポイント

1.単位を決めて数値化する
例えば「水を持ってきて」と言われたとき、それは何でどれだけ持っていけばいいのかわかりません。言った人がとても喉が渇いていたら大きなコップで欲しいのかも知れないし、花の鉢に水を少しあげたいのかも知れません。「コップに150㏄水を持ってきて」だと、明快ですね。

2.数、時間、距離など明確にする
「適当に持ってきて」適当っていくつのことでしょうか。常識でわかる範囲でと言われても、人それぞれ差異があり同じではありません。曖昧な表現は誤解を招くので、自分が考えている数や時間、距離や重さなどを、3個なら「3個」と確定して伝えます。

3.形容詞・代名詞は省く
「少し」「およそ」「だいたい」「ちょっと」などは通じません。それらはどれくらいを言っているのでしょうか。人それぞれ違うので聞き手が推量しなければならず、誤解を招きます。推量の表現はしないで、具体的に数字で表現すること。
数字といっても「2、3個」では、聞いた人は迷います。はっきりと、2個なのか3個なのか明確にすることです。

例えば、「あそこの少し取ってもらえる?」と代名詞で曖昧に言われると、目線で方向はわかっても、どこの何をどれだけ取ればいいのか全く分かりません。話し手が「私の頭の中を推量して」と言っているのに等しいことになります。この場合「窓際右端の棚の上の用紙を5枚取ってもらえる?」だと聞き手も理解できて、すぐ取って渡せます。

4.配慮は省く
人はどうしても相手を必要以上に配慮してしまいがちです。「今連絡したら迷惑かな」とか、「これを言ったら気を悪くするかな」とか、「言い方がきついかな」「つっけんどんかな」など様々に思いめぐらし想像します。なぜなら人はどうしても「良く思われたい」「嫌われたくない」などという心が作用してしまうからです。

しかし、会話は事実の交換、業務連絡です。業務連絡に最も必要なことは明快に伝えること、伝わることです。そこに配慮が介入すると、わかりにくくなり誤解を招きやすいのです。

5.感情表現は省く
感情表現を省くのは、業務連絡に「気分を害した」とか、「あんなこと言われて怒ってる」「悲しい」「嬉しい」などと自分の感情を乗せてしまうと、業務連絡から離れて感情が優位になってしまいます。さらに聞き手の感情もそこに乗ってしまうと、もう何を伝えたかったのか、聞いたのか分からなくなってしまうからです。

これら5つのことを心がけて話すと、伝えたいことが明快になり誤解なく伝わります。

伝わる内容にするには

1.論理的に明確に伝える
2.状況・理由・目的・要望・結論など事実のみ、明快な言葉で伝える
3.必要のない装飾はしない

するとSNS上などの短文でも理解でき、誤解を招くことが無くなると考えられます。

まとめ

円滑なコミュニケーションは、トラブルを防ぎ余計なストレスを軽減させます。曖昧模糊な表現をしないで明快に伝えると、お互いが「話が通じる人」になり共に成長発展して、後に情報交換の会話だけでなく、「対話」により相互交流ができるようになれば楽しいですね。


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大澤秀行
専門家

大澤秀行(精神分析家)

合同会社LAFAERO1(ラファエロワン)

精神分析家として34年の臨床実績があり、現在もメールや電話も合わせると、一日平均10名の精神分析によるセラピーを行っている。

大澤秀行プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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