鏡像関係は、絶対的孤独な人間の寂しさと孤立感を癒す
子供は3才頃になると「どうして…なの?」「なぜ?」とさまざまな質問を投げかけてきます。
無邪気な子供は好奇心の塊です。どうして?なぜ?は、好奇心を満たし探求心へと発展させて、前へ向かっていく世界との出会いを学ぶとても大事な質問です。
大人は子供に正しく理解できるようにと、考えれば考えるほど言葉に詰まってしまいます。しまいには困って「大きくなったらわかる」とか「わからない」「変なこときかないの」「あとで」などと返答してしまうことがあるのではないでしょうか。
好奇心の芽を摘まず、知識・情報の無い子供にどのように答えればいいのか。ここでは3才の子供の質問「リンゴはなぜ赤いの? どうしておいしいの?」を例にまとめました。
好奇心旺盛な子供の質問に答える大人の心構え
子供から質問されると何か答えなければならない、大人としてバカなことは言えないと考えます。それは教師という立場で自分が先生になりますが、言葉が出て来ない。知識のない子供に判るように答えるのは難しいからです。
まず教えるという立場から離れて、一人の人間として子供と対等になることが前提になります。
【子供と対等になるための三つの心構え】
・子供も大人も区別せず、人として平等にみる。
・年齢も性別も関係ない。
・知っている、知らないを考慮しないこと。
一人の人間として対等に対話する。すると子供の視点に立つことができます。
まず子供より大人は優れているという考えを放棄すること。子供を自分の自己愛の備給には使わないことです。自己愛の備給に使ってしまうと、子供の好奇心の芽を摘んでしまいます。
子供は素朴な質問を投げかけているのに、「そんなことも知らないのか」などと言ってしまうと、子供の心は萎えてしまいます。それが続くともう子供の好奇心は消滅します。自分から動くことは無くなり、人に言われるまま動くロボットになってしまいます。
質問例と答え方|りんごのなぜ?なぜ?「なぜリンゴは赤いの?」
「それは、赤の周波数だけ反射しているから」と言っても子供はちんぷんかんぷんです。大人が知識を自慢しただけで終わってしまいます。
回答例「赤いね。これが赤、赤色ってこの色なの」
「そうか、リンゴという果物(くだもの)に赤っていう物があるんだ」と、子供はリンゴを概念化します。周りに赤の物があれば、「これは何色?」と言って一緒に赤色を探すのもいいですね。「これも赤、それも赤、リンゴも赤、色んな赤があるよね」と。こうして今度は赤という色の概念を作ります。
次に子供は黄色を指して「それならこれは?」と、「それは黄色よ」と答えると、黄色のものを探し始めるかもしれません。すると黄色の概念ができます。
「どうしてリンゴはおいしいの?」
回答例「美味しいね。これが美味しいって言うんだよ」
先ほどのように今度は、子供はわくわくしながら色んなものを食べて「自分の美味しいもの」探索するかもしれませんね。美味しいものにも色々あることに気づきます。
「これ美味しくない。不味い」と言ったときは、同じものを食べて「そう、美味しくないんだね。これは「苦い」と言うんだよ。美味しくないものにも色々あるね」と、幼い子供にはまだ「苦い」「辛い」「しょっぱい」「味が薄い」などという味の区分がありません。すべて不味いの一言で表現します。それは美味しいも同じです。
美味しいものにも色々な味があって、美味しい以外にも色々な味があることを知り、味覚の概念が形成されます。
子供の質問に答える大人の答え方とは
情報の無い子供は、様々な物、事を概念化して頭の中に整理して引き出しにしまうために聞いているのです。それができれば、あとは子供が自分で自分だけのものを作っていきます。
後に学んで「あ~赤は赤の周波数だけ反射しているからなんだ」と理解します。
よくある「どうして空は青いの?」「どうして海は青いの?」などの質問も同様に青の概念を一緒に作っていくのも楽しいですね。
このように子供の質問には、子供が自分なりに答えを導き出せるように関わることが重要です。自分で問いを持ち、自分で答えを導き出す、その手伝いをするのが大人の答えです。
気づきへのサポート、それが子供を一人の人間として対等に対話していること。ひいてはそれが尊重していることになり、子供は自由にすくすくとのびやかに育まれていきます。
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