「出来るはず!」と言う思い込みを超えて ~生活支援における“型”づくりの重要性
新しい生活を始めることは、誰にとっても大きな冒険です。
特に、住み慣れた自宅を離れてグループホームに入居し、そこからいつもの通所先へ向かう道は、障がいを持つご本人やご家族にとって、期待以上に大きな不安が伴うものです。
支援現場では、この「自立への道」を支えるために、まるでドラマのような試行錯誤が繰り返されています。まずは普段のルートを確認し、曲がり角や目印を一つずつ一緒に歩いて覚えることから始まります。 目的地に着くことだけでなく、交通ルールを守り、安全確認ができるかどうかも大切なポイントです。
一番の正念場は、一人で歩き出すのを見守る段階です。
支援者は、本人に気づかれないよう電柱や看板に隠れながら、さながら「尾行」のように後ろを歩きます。 道を間違えそうになってもすぐに声をかけず、自分で気づいて修正できるかをじっと見守ります。不審者に間違われないかハラハラしながらも、本人の「気づく力」を信じて待つのです。
無事に一人で通所できた時の感動は、まさに「我が子が巣立った」ような喜びです。
迷いながらも自力で道を開拓したり、職場でニックネームで呼ばれたりと、一歩外へ出ることで新しい世界が広がっていきます。
環境を変えることは容易ではありませんが、周囲が「信じて見守る」ことで、自分らしい生活は作られていきます。 その一歩を支える「はじめてのおつかい」のような温かい挑戦が、今日もどこかで続いています。


