墓石はなぜ石で作られるのか、その理由
皆様、こんにちは。
今日は墓石に彫刻を施す工程について書いていきます。
「彫る」というよりも「吹き付ける」彫刻
実際の工場での彫刻作業の写真を貼ってみましょう。
一見すると、どんな作業をしているのか分からないと思います。
彫刻という言葉からイメージされる作業は、ノミをトンカチで叩きながら、石に彫り込んでいくような姿ではないでしょうか。実際にそのような形での彫刻も行われますが、現在の(文字)彫刻作業はちょっと違います。
まずはお客様にご確認いただいた、文字の原稿と同じ形に、ゴムの板を切り抜きます。次に、文字の部分だけ切り抜かれたゴム板を墓石に貼り付けます。ゴム板を張り付けられた石は、文字の部分だけくりぬかれた状態になっています。
その上から、高圧でカーボン(炭素)の粒子を吹き付け、穴の空いた部分だけ削り取っていくのです。写真はまさに、その吹きつけをしている状態です。
この吹きつけ装置は小型化もされており、墓地の現場に持っていって彫刻することも可能です。(ただし、墓石正面に彫るような深い彫刻は出来ないため、御戒名などの小さめな彫刻に用途が限られます)
彫刻の正確さと迅速さが増し、現場での作業も可能になるなど、最も技術の進歩の恩恵を受けている作業と言えるかもしれません。
次回からは工場を離れ、墓地現場での作業について書いてきます。