墓地需要の移り変わり(1980年代~2010年代)
近年、永代供養墓が注目されるようになった背景に、お墓の跡継ぎ問題があります。少子化社会になった影響で、お子さんがいない、あるいは女性のお子さんしかおらず、嫁いだ後に姓が変わったのでお墓が継げない、と思われる方が増えたためです。
ここで知っておいていただきたいのは、お墓を承継(継ぐ)出来るのは、お子さんだけではない、ということです。各墓地や霊園の使用規定によって違いはありますが、多くの墓地・霊園が3親等以内の親族の方であれば、承継を認めています。3親等というと、ご本人から見て両親、祖父母、兄弟姉妹、叔父叔母(伯父伯母)、甥姪、孫ということになります。意外と範囲が広いと思いませんか?
また、嫁がれたお嬢さんの嫁ぎ先と一緒にお墓を使うことを「両家墓」といい、決して珍しくありません。以前洋型墓石の説明で書いたように、正面に家の名前を彫らないなど、様々な対応方法があります。
以前は寺院墓地などで直系の長男さんしかお墓を継ぐことが出来ない、という取り決めをしているような所もありましたが、時代や社会の変化に対応すべく、柔軟になってきています。既存のお墓の跡継ぎを考える時はもちろん、新たにお墓を考える際にも、後継者の範囲について、覚えておいていただければと思います。