コラム
お墓を返還するための手続き
2013年9月8日 公開 / 2016年6月9日更新
昨日書いた、お墓の後継問題に関連して、お墓の返還について書いてみます。
後継者の問題であったり、お墓がある場所から遠くに引っ越さなければならなくなってしまったり等、様々な事情で、お墓を墓地管理者に返還しなければならない状況というものがあります。返還を希望されるお客様に良く聞かれるのは「お墓って他人に売ってはダメなの?」ということです。
結論から言いますと、他人に売ることは出来ません。よく「墓地を買う」と言いますが、正確に言いますと、墓地の区画をお墓として使う「権利」を買っているのです。つまり、その墓地はあくまでも霊園管理者(宗教法人など)が土地の所有権を持っているのであり、使用者は使用権を持っているに過ぎません。この使用権は他人に譲渡や売買が出来ない旨、各墓地・霊園の使用規定に明記されていると思います。
墓地を返還する際には、原状回復義務(元あった状態に戻す)が課せられており、外柵や墓石などは撤去してから使用権を返還することになります。撤去に際しては、脱魂(魂抜き)の法要を執り行った後、墓石を外すのが通例です。(宗旨・宗派によって行わない場合もあります)撤去に際しても法要に際しても、費用はかかります。
各ご家庭で事情は様々ありますので、どうしても墓地を返還しなければならない状況があるということは分かりますが、上記の点を踏まえた上で、本当に返還しても良いのか、ご家族で慎重に相談する必要もあると思います
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