墓地需要の移り変わり(1980年代~2010年代)
東京都立小平霊園で、樹林墓の申し込み受付があり、募集数に対して10倍の応募があったというニュースが流れました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130828/k10014106251000.html
ニュースの内容を読むと、
「海への散骨と比べて土に還る方がよいと思って申し込みました。当選してよかったです」
と、おっしゃっている方がいるようです。
実際の所、この墓地の形態はご遺骨(焼骨)を袋に入れ、上からどんどん納骨室に入れて積み上げていく形になります。袋は分解されやすい素材で出来たものを使うそうですが、袋がなくなったとしても、ご遺骨は「土に還る」なんて事はありません。前のコラムにも書きましたが、樹林墓という「自然葬」をイメージさせる言葉とは裏腹に、自然とはかけ離れた埋葬形式なのです。
お子さんがいらっしゃらない、後を見る方がいないご夫婦や単身者の方はそれでも良いかもしれません。後に残るお子さんが、両親のご遺骨が誰のものとも分からない他の方のご遺骨と一緒に、袋に入って積み上げられているお墓にお参りすることを想像してみて下さい。その時のお子さんの心情を考えれば、ゾッとしませんか?