【7/7更新】「家賃支援給付金制度(経済産業省)」についてわかったこと
そろそろコロナによる自粛ムードが実体経済へ、次に本格的に不動産賃貸へと影響が出てくるころです。
改装工事に部材がなくて施工できず、という話も耳にしています。
その他、賃貸経営で真っ先に影響が出るのは店舗の賃貸、次に事務所の賃貸かなと予測しています。売上見込みが立たないため解約する、そもそも賃料を払うお金がないため滞納になる、などです。
皆様の物件はいかがでしょうか。
幸い、弊社は居住用のほうが割合が多いので、影響が出るのはもう少しあととなりそうです。
ただ、時間貸し会議室は閑古鳥が鳴いています。
少しでも感染拡大を止めるため、仕方ないですね。
閑話休題。
前回、電力自由化の裏側や値段についての仕組みをざっくりとまとめました。
(前回の記事はこちらから)
今回は不動産周りに特化し、ビルやマンションによる違い、高圧電力と低圧電力による違いなどを、極力簡潔に書いていこうと思います。
内容はオーナー・管理会社向けです。
マイベストプロは目次機能がないので、目次代わりにまとめると・・・
0:そもそも共用部契約の切替って、どういうこと?
1:マンション共用部の電気切替について
2:オフィスビル、テナントビルの電気切替について
3:共通することなど
この順番で、要点をまとめていきたいと思います。
0:そもそも共用部契約のみの切替って、どういうこと?
見出しをゼロにしたのは、個別解説の前に前提として知っておいてほしいことを書くためです。
電力会社を切り替えるというのは、小売の役割だけを切り替えるという意味なので、よく誤解されている停電リスクは何も変わらないと前回の記事で書きました。
停電などがあったときの窓口は今と変わらず関西なら関西電力様、東京なら東京電力様です(送配電の役割)
つまり、より単価が安い電力会社に切り替えて、お手軽に経費削減ができます!
次に、共用部に関する電気の契約は大きくわけて2つあります。
低圧電力:自家用電気工作物(キュービクル)がない
高圧電力:自家用電気工作物(キュービクル)がある
低圧電力の場合、共用部の電灯やエレベータなどの機械の電気代のみを払っているイメージです。専有部を含みません。
高圧電力の場合、建物すべての電力を払っているイメージです。専有部を含みます。
オフィスや店舗に使用料を請求するため、管理側で個別に電気メーター検針をされていることが多いはずです。
どちらにしても電力会社の切り替えは可能で、現状より電気代が安くなる可能性が高いです。
ただ、自分の払っている電気契約が何にあたるか、
賃貸で借りているお部屋とどういう関係性にあるか、を知っておく必要があります。
低圧電力の場合、オーナー側の契約範囲はあくまで共用部のみ。
そのため、個別のお部屋は個別に電気を契約しています。
なので、例えば・・・
共用部:A社電気
個別のお部屋A:関西電力様
個別のお部屋B:B社でんき様
みたいなことが成り立ちます。まったく問題ありません。
支払先が変わるだけです。
高圧電力の場合は少し異なります。
建物全体で契約しているため、電力会社はオーナーが自由に選択し、各お部屋はオーナーに使用料金を支払います。
この場合、今でも検針したメーター数値に応じて、管理側で単価を設定し、請求していると思います。
この専有部への請求料金は変更しなくても良いです。
そのためオーナーの支払先見直しで、年数十万~数百万電気代が安くなる物件もあります。
さて、個別にもう少し詳しく書いていきたいと思います。
1:マンション共用部の電気切替について
細かいパターンを書き出すと脱線が多くなるので、ここから先もできるだけ簡潔に。
いわゆる共同住宅というくくりでも、ざっくりと3タイプにわけます。
アパート:2~20戸程度想定。低圧の従量電灯契約のみが多く、1月あたりの料金が3000円くらいまでのほとんど電気をつかわない物件が多いため、切替メリットは薄い。少し安くなるプランもある。
マンション:20~100戸程度のエレベーターがついているような規模を想定。エレベータや給水ポンプ、オートロック、照明器具などがあり、1月あたり数万~10万円くらい電気を使っている低圧契約が多い。電灯と動力の2契約セットが基本。
物件によるが、ちゃんと切り替えれば年間5~15%くらい安くなることが多い。
大規模マンション:数百戸のマンションだと、キュービクルが設備としてあり、建物全体で高圧電気の契約を結んでいることがある。その場合、各部屋の電気はオーナーに支払う。
高圧の契約がキュービクル業者に縛られていなければ、切り替えで安くなることが多い。
もう少しだけ細かく。
アパートはメリット幅が少ないので深く書きませんが、電気代によっては少しは安くなることがあります。
あと電力会社によっては家庭向けプランに入れることもあるので、一律◯%引きプランなら、確実に安くなります。
切り替え自体のデメリットはほとんどないので、月150円安くなるなら切り替えよう!という少額でも手間を惜しまない方はおすすめ。面倒な方はそのままでも、という感じです。
小~中規模のマンションは大手電力会社も、あまり自分からは特別値引きなどの値下げをしません。
ちゃんと選んで切り替えるかどうかで割と値段が変わります。お見積りしてみることをオススメします。一度どこかに切り替えていても、1~2年ごとに見直すことでさらに値段が下がったりも・・・。
大規模マンションは低圧契約のパターンと高圧契約のパターンが混在します。
低圧契約の場合は小~中規模マンションと考え方は同じです。
個別のお部屋に影響はないので、切り替えた方がお得になることが多いです。
高圧の場合は、キュービクル設置工事時に業者と10年単位で電力供給契約をしていることなどがあり、その場合は途中解約で違約金などが発生するため、契約状況の確認が必要です。
業者との長期間契約などがない場合も、既存の大手電力会社から特別割引が出されていることがあり、内容によりけりです。(1年縛りや2年しばりが多い印象です)
ちなみに、個人的な経験上でいきますと、きちんと比較したら大手の「特別割引」より安く提供できる電力会社を見つけられるケースが多いです。
もしくは切り替え検討時に慌てた大手が、「特別割引」の特別割引(笑)を出してくることもあります。
2:オフィスビル、テナントビルの電気切替について
小規模物件:オーナーが共用部分を低圧契約で支払い、賃借人はお部屋と同様直接契約している。
中~大規模物件:キュービクルが設備としてあり、建物全体で高圧電気の契約を結んでいることが多い。その場合、各部屋の電気はオーナーに支払い。オーナーがまとめて電力会社に支払う。
上の居住用の流れとほぼ同じです。
毎月検針してテナントに請求している物件の場合、オーナー支払いの電気使用料が高額であるため、見直しで節約できた時の金額も大きいです。
あるオフィスビルを複数持っている管理会社の話では、年間3,000万円電気代削減できたという話も耳にしました。恐るべし電気代。
毎年経費削減できているようなものなので、効果の大きさが伺えますね。
3:共通することなど
キュービクルの設備と合わせての10年縛り契約などがある場合をのぞき、手続きは簡単です。
切り替えに伴う見積もり請求なども、ほぼパターンは同じです。
今支払っている電気代の明細(検針票や請求書など)を3ヶ月~1年分 お手元に用意し、
シミュレーションしてみたい電力会社に声をかけて見積もりを依頼。
できれば2~3社に声かけて、納得できるところに申し込み。
既存の会社への解約手続きなどは、次の電力会社が代行してくれるので、何もすることはありません。
あとは次の電力会社から請求がきたら、契約した方法に伴って料金を同じ様に支払うだけです。
そのときに契約した小メーターが旧型の場合は、スマートメーターというものに取り替え工事が発生しますが、よほど特殊な場合をのぞき、費用等は発生しません。
もともと電力会社が順番に取り替えていっている物で、優先度があがるだけなので・・・。
いかがでしょうか、
極力細かい部分を端折っても、結局長くなってしまいました・・・。
弊社の自社物件を切り替える際に色々勉強したので、
資料などを見たい方はお知らせいただければ、もう少しまとめたイメージ図などもあります。
ちなみに、弊社は全て合わせて年間200万円ほど電気代節約できています。
マンション・ビル向け電気代削減サービスの紹介
最後までお読みいただき、ありがとうございました。