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バスルーム・浴室・お風呂をバリアフリー化

田原稔久

田原稔久

テーマ:バリアフリー


浴室・バスルームには危険がいっぱい

これまでのコラムを読んでいただいた方は、住宅のバリアフリー化にあたって、どのようなものが思わぬ危険を引きおこすかの具体例をたくさん思い浮かべることが出来るようになったのではないかと思います。

お風呂はご自身の体を清潔に保つためだけでなく、リラックスした気分を満喫できる場所としても欠かせない場所ではありますが、バリアフリー化の観点からご自宅のバスルームを眺めてみるといかがでしょうか? これまでたびたび言及されてきた危険性をいくつも思い浮かべることが出来る方が多数だと思われます。

まずは段差を少なくし、転倒事故を防ぎましょう

皆さん、思い浮かべた危険は様々かとおもいますが、まずは、浴室・バスルームにある段差を少なくすることから考えてみます。

実際にお風呂に入ることを考えた時、最初に遭遇するのは脱衣所と浴室の間の段差。こちらはできれば高さを0mm〜20mmにして転倒を防ぎたいところ。

続いて、お風呂に入ろうと片足を上げるということは、浴槽の高さそのものが段差になっています。こちらもまたぎやすい高さ(30cm〜40cm)を目安に変えることを、お勧めします。
さらに、片足を入れた後の浴槽の深さも段差として転倒の原因となり得ます。こちらはどのようにお風呂に浸かりたいかなどの希望によって一概に数字は言えませんが、あまり深いものを使用することは避けた方が無難かと思います。

またお風呂場は段差が無くても、水ぬれや石けんなどで転倒事故を起こしやすい場所であることを忘れないようにしてください。

こうした転倒事故を防ぐためには、水や石けんなどがついても滑りにくい床材を使用したり、出入り口や洗い場に手すりをつけたり、といったことが有効です。

交通事故よりおそろしい? お風呂場のヒートショック

続いて、「トイレのバリアフリー化」の回にも登場しましたヒートショックについても考えてみましょう。
ヒートショックは、浴室・バスルームにおいての危険性を語る上で代表的なもの。2012年の厚生労働省のデータでは、浴室の溺死で亡くなった人の数は、交通事故での死亡者の数を上回っており、ヒートショック対策の重要性をうかがわせます。これらの事故を防ぐためには、冬場も浴室の温度を下げないための浴室暖房機が有効ですが、その際に、水気をなるべく浴室に残さないよう乾燥機能もついたものにしておくと、なお良いかと思われます。

安全で快適なバスライフを送って頂くためにも、浴室・バスルームに潜む危険を正しく認識し、適切なバリアフリー化を行いましょう。

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田原稔久
専門家

田原稔久(建築家)

田原建設株式会社

新築、リフォーム、アフターメンテナンスの三拍子がそろう住まいづくりに徹し、2世帯の長期優良住宅を多く建設。自身が阪神・淡路大震災の体験もあり、耐震等級3の地震に強い住宅を採用する

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