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パンは食べないほうがよい4つの理由

野口由美

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テーマ:病気、症状の解説

昨日、何を食べたのか、ちょっと思い出してみてください。

「朝はパンとコーヒー、
昼は時間がなくてコンビニのサンドイッチ、
夜は飲み会でパスタとピザ、
三食とも小麦製品だった!」
ということはないでしょうか。

私たちの周りには、小麦粉製品があふれています。

食べたいもの、食べやすいものを選んでいると、1日中、小麦粉製品になってしまいがちです。

けれども、小麦粉製品は注意していただきたい食品のひとつなのです。

小麦は消化が難しい

小麦粉製品のいったい何がよくないのでしょう。

実は、小麦は消化の難しい食品で、未消化になりやすいのです。

小麦の未消化物質が腸管内に入ると、腸管壁を傷つけてしまいます。

グルテンは血糖値を上昇させる

小麦を水とともにこねることで、グルテンがつくられます。

グルテンはモチモチした食感をつくり、生地を膨らませる効果を持ちます。

さらに、食欲を刺激する効果を持つため、パンやスイーツを食べると止まらなくなる経験をされたことがあるかもしれません。


また、グルテンは血糖値を急上昇させることがわかっています。

そのため、インスリンが分泌され、血糖値は急降下します。

このような血糖値の乱高下によって、眠くなったり、イライラするなどの精神的不安定さをもたらします。

リーキーガット症候群

グルテンは、腸でグリアジンとグルテニンというタンパク質に分解されます。

グリアジンは小腸でゾヌリンを過剰に分泌させ、小腸細胞同士を固く結びつけているタイトジャンクションの結合をほどいてしまいます。

その結果、小腸の細胞と細胞の間にできた隙間から、腸内の未消化物質や細菌が体内に入り込んでしまうのです。

その際、グリアジン自身も、未消化ペプチドとなって腸から血液中に入りこみます。

このような状態はリーキーガット(腸漏れ)と呼ばれ、体内で炎症やアレルギーをおこしやすくなります。


体内に入り込んだ未消化物質や細菌、グリアジンは、脳を守るバリアである「血液脳関門」を通り抜けて脳の中にも入り込み、脳機能を低下させます。

お昼にパスタとパンを食べると、昼食後に眠くなったり、頭がボーっとして働かなくなるという経験をされたことがあるかもしれません。

これは小麦粉製品による血糖上昇の影響もありますが、小麦の未消化物質などが脳内に入り込み、悪さをしているためでもあるのです。

パンを食べるのをやめられない理由

グリアジンは、血液脳関門をすり抜けて脳に到達すると、脳神経細胞のオピオイド受容体を刺激し、脳は興奮状態に陥ります。

そのため、気持ちは不安定になり、不安感、集中力の低下、眠気、疲労感をおこします。


グリアジンによってオピオイド受容体が刺激されると、モルヒネ様作用をひきおこすため、中毒性が高まります。

そのため、パンやクッキーなどの小麦粉製品を食べるとなかなかやめられなくなるのです。

小麦をやめてグルテンフリー食品を選ぶ

小麦はパンやパスタ、うどん、ラーメンから、餃子、シュウマイ、ホワイトシチュー、グラタンなどさまざまな料理に用いられています。

そのため、小麦粉をまったく使うことなく食事をするのはとても難しいことです。


そこでまず、小麦粉を塊としてとるのをやめることから始めてみましょう。

つまり、パン、パスタ、うどん、ラーメン、お好み焼き、たこ焼きといった食事を避けるということです。


小麦粉製品に気を付けることで、食事内容を吟味する習慣が自然と身につき食事内容はがらりと変わります。

小麦粉を避ける、すなわちグルテンを避ける食事方法はグルテンフリー(GF)と呼ばれています。


私たち日本人は、和食を意識するだけで、簡単にグルテンフリーを実行できます。

そのうえで、パンやパスタ、うどん、ラーメンなどを食べたいときは、グルテンフリーの食品を選ぶとよいでしょう。

米粉のパンやうどん、エンドウ豆のパスタなど、最近はおいしいグルテンフリー食品がたくさん売られています。

いろいろ試して、気に入ったものを見つけていただくとよいでしょう。

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野口由美
専門家

野口由美(医師)

クリニック千里の森

患者一人ひとりの個性を重視した「患者ファースト」の治療方針のもと、薬に頼らない医療を提供。近代西洋医学の最前線で培った豊富な知識、自身の体験を裏付けに、幅広い選択肢の中から最適な治療法を提案します。

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