社風を変える必要があるのか?
Q:社内の飲み会の席でにて今後の業務に気合をいれてもらうつもりでした。
「おい、一杯飲め。グイっといって、明日からもがんばれ!」と。
そして直属の部下にお酒を勧めました。
そうすると、「新入社員の歓迎会でも言いましたが、私、お酒が飲めません。
これパワハラですよ」と言われてしまいました。
楽しい席でのことですが、パワハラなのでしょうか?
A:「パワハラ」という言葉は広く認知されています。
しかし、どうした行為がパワハラに該当するのかという判断は人によって異なっています。
確かに、厚生労働省のパワハラの定義付けと行為類型に飲酒強要は含まれていません。
飲酒強要などのパワハラを受けたとしてホテル運営会社の元社員が会社と元上司に損害賠償などを求めた訴訟があります。
控訴審判決で飲酒強要を不法行為と認定し、150万円の支払いを命じました。
理由は、
1.極めてアルコールに弱い体質の元社員が少量の飲酒で嘔吐している。
2.元上司が「吐けば飲める」と言って執拗に酒を強要した。
3.「単なる迷惑行為にとどまらない。肉体的、精神的苦痛は軽視できないということです。
飲酒強要については「上司の立場を逸脱し、許容範囲を超えていたとは言い難い」との判例もあります。
しかし、この判例をふまえて、今後の職場の飲み会などで、こうした執拗な強要がないように注意を促していくべきでしょう。