看護師の求人媒体と面接時の注意点
今年、兵庫県で内科クリニックを開業した院長先生からの相談事例をご紹介いたします。
【相談内容】
開業時には、開業コンサルタントに開業地探しから開業までのサポートをしてもらいお世話になったのですが、開業後の面倒はみてもらえないようです。
開業後も経営の諸問題を一緒に考えてくれる経営コンサルタントを頼みたいのですが開業医の友人に相談すると、経営の諸問題については顧問税理士に相談しているが、税金のこと、お金のこと以外については具体的なアドバイスはないと聞きました。
私は税金やお金のこと以外のことも相談できる経営コンサルタントが必要であると思うのですが、贅沢な望みなのでしょうか? また、経営コンサルタントを選ぶポイントをお教えください。
【回 答】
1. 愚痴を聞いてもらえる相談相手を見つけることから始める
開業後のクリニックの経営をサポートする経営コンサルタントは数少なく、しかも、そのほとんどが医療機関に特化した税理士事務所(会計事務所)が行っているというのが現状です。
まずは誰かに愚痴を聞いてもらう。このことから、始めてみてはいかがでしょうか。
それは、開業時にお世話になった開業コンサルタントや顧問税理士、会社を経営している知人でもいいと思います。一人で問題を抱えず、経営の諸問題を一緒に考えるブレーンを創っておくことをお勧めいたします。
2. 院長の相談相手に適任な人材とは
開業後は人に関する悩みが多くなりますので人に関する諸問題を上手に汲み取り、采配を振れる人が相談相手に適任でしょう。具体的には下記の事項ができる人です。
・今後の戦略の相談ができる:今後のクリニック発展のための戦略を一緒に考えてくれる人
⇒地域医療構想から当院が実行すべき医療・介護について相談ができる人
•クリニックのお金の流れを把握していて設備投資、職員増加、昇給賞与の決定、資金調達方法など適切に財務のアドバイスができる人。
・職員の採用求人、採用面接、採用のサポートのできる人。
⇒応募を集める求人票の書き方を助言できる人。
•職員の教育指導ができる人。
⇒院長、奥様が言いにくいことを職員に対して面談や研修を通じて伝達してもらえる人
•職員の給与、賞与など賃金に関する事項に的確な助言をしてもらえる人。
•ミーティングに参加してファシリテーションできる人。
上記のような業務を一緒に取り組んでもらって、院長自身が「この人なら!」と思えたら顧問契約されたらいいと思います。
3. 契約時と契約後の経営コンサルタントを最大限に活かすポイント
医療機関に特化した税理士事務所にて16年間勤務経験と医業経営コンサルタント会社を起業して12年間の実務経験からクライアントの医療機関とコンサルタントが
お互いにメリットが享受できるポイントを下記にまとめました。
ポイント1. 院長の期待に応えることができるか確認する
院長が経営コンサルタントに対して期待することやサポートをしてもらいたい事項を明確に伝達してください。 そして、院長の期待に対してコンサルタントがどのような方法で応えてもらえるのか、また、これまでの実績、経験についても確認して、しっかり見極めることが大切です。
ポイント2. 業務範囲と料金を明確にする
コンサルタントも事業として関わる限り、業務の範囲(コンサルタントに依頼するお仕事の内容)と料金が発生しますので、契約後、お互いが気持ちよく仕事していくうえでも、最初にお互いがきっちり業務範囲と料金に合意をして契約書を締結しておくことをお勧めいたします。
ポイント3. コンサルタントとの「報・連・相」をしっかり行う
経営の諸問題をすべてコンサルタントに任せきりにしない。報告・連絡・相談をタイムリーに実施するための共通のツール(電子メール、電話など)を明確に決めておくことをお勧めしたいと思います。お互いが忙しい時間の中でタイムリーな「報・連・相」を行い、経営の意思決定をスピーディにできるシステムを構築しておくことが重要です。
ポイント4. 院長の奥様の意見も聞く
クリニックの現場や経営に携わる奥様の意向も踏まえて人選していただくことをお勧めいたします。 院長が求めることと奥様が求めることにはギャップがあると思います。
また、時期によってはコンサルタントを使い分けることも必要と思います。
以上を踏まえて、人生観、仕事観、価値観など共通点があり、相性が合うコンサルタントとの出会いを祈念しております。 最後までお読みいただきありがとうございます。