クリニック全体でレベルアップを図るスタッフ研修
今回は、診療所を承継した後継院長が知っておくべきポイントをお伝えします。最近、次のような経営相談をお受けします。「父親から医療法人化している診療所を承継することになりました。父親から医療法人の収支など運営状況を聞いているのですが、要領の得た回答が得られません。父親から医療法人化した診療所を承継する場合、何をチェックすれば医療法人の状況がわかるのでしょうか?」
診療所を承継する先生からこのような相談をよく頂きます。後継者が医療法人化した診療所の経営状況をチェックする方法はいろんな視点がありますが私どもは下記のとおりお答えしています。
1.社員名簿・役員名簿の確認
医療法人設立時の書類に上記の名簿があります。誰が議決権を有する社員で役員であるか。確認しておきましょう。
2.医療法人の貸借対照表の確認
勘定科目の内訳をチェックしてください。内訳を確認して欲しい勘定科目は前払費用、貸付金、立替金、仮払金、借入金、仮受金です。誰に(どこに)?いくら?という視点でみてください。
3.医療法人の社員総会、理事会の議事録
役員報酬増減、理事の追加や退任、役員退職金の決定など医療法人の重要事項を決定する機関は社員総会や理事会で行われます。過去の議事録をチェックすることで「いつ、どのような事を議決したか。」がわかります。
4.行政調査履歴確認
税務署の税金の調査、保健所の監査、集団的個別指導等の厚生局の調査など行政調査の履歴を確認し、専門家と今後の対策を立てておく。
5.カルテ、レセプト内容確認
査定返戻の状況を確認し改善が要するプロセスをチェックしておく。
6.診療報酬の施設基準見直し
これまでの施設基準の届出を確認するとともに今後の診療内容から考えて取り下げる届出と届出が必要なものをリストアップし手続きを行う。
7.就業規則、給与規則、雇用契約書などのチェック
職員の雇用に関するルール、職員との雇用契約書、給与規則、通勤手段、退職金規定などこれまで、職員の処遇を確認し、環境(法律)に適応できるよう対応していく。
以上、私どもがお伝えしている「後継者が承継する医療機関の運営状況をチェックするための視点」です。私どもコンサルタントも、この視点に基づき医療法人をチェックし改善点の提案を行います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
感謝!
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